いつからかその弄りは好きが故のちょっかいに変わっていた
ただ面白いと思っていただけのハズが、キミを困らせるつもりが
いつもの調子で爆豪にちょっかいをかける
私はこの時間がたまらなく愛おしい
そんな会話なんて聞こえない二人は片や教室を駆け回りもう片方は鬼の形相で追いかけていた
クラスメイトにとって日常茶飯事のようになりつつあるそれを横目に
呑気な上鳴にイラついて思わず声を荒げる
なんて息ぴったりに返す
爆豪も思いは同じみたいだ
私の冗談混じりの本音も虚しく爆豪は怒鳴る
こんなんで私の恋は実らないなんて最悪すぎるデショ
三人が暴れ回る爆豪とあなたの下の名前を見つめながら二人をくっつけようとしてることも
爆豪の耳がほんのり赤いことも
あなたの下の名前ちゃんはまだまだ知る由もなかった
今はそんなことよりも爆豪から逃げることに夢中だったから
頭をガッチリ掴まれると流石にギブでしょ
人の心ないんかよコイツ
言い終える前に口をガッチリ抑えられ
口元を抑えられうまく声が出てこない
そうやって微笑む爆豪に一瞬ドキリとする
…そんな顔するんだ
いつのまにか離されていた手の感触を思い出しながらその場を動けずにいた
やっぱちゃんと好きなんだよなぁ…
あなたの下の名前に背を向けた爆豪もまた何かに悶えた様子で手を見つめていた
見てられないと言った様子で思わず言ってしまった上鳴に瀬呂と切島も同意する
この二人が両片思いなのに気付くのは一体いつなのだろうか
三人の苦労はきっとまだ始まったばかりであることは三人とも感じつつ
素直になれない二人をどうしたものかと三人揃って考え込んだのだった













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。