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2020/12/22

第11話

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追いかけても追いかけても、湊は見つからない。
ちらりと横目で見えるのは狐火だけ。
心做しかその狐火達も、面白がっているように感じる。

(んもう…どこ行ったの…。)

妖の国とは何なのか、知りたいのに聞く相手がいない。
走っても走っても見えるのは畳や襖、障子。
和風の家なのはわかるけれど、とても広い。
…本当に広いのかは分からないけれど。
同じところをグルグルと回っているのかもしれない。

(だって妖でしょ?妖怪でしょ?そのくらい出来そうじゃない?)

そんなことを考えていると、目の前の曲がり角に隠れきれていない白いもふもふが。
頭隠して尻隠さず、ってやつ?
きっとこれは湊のしっぽ。
声を抑え、足音を立てずにもふもふへ近づく。
雪乃
雪乃
わっ!…って、あれ?
白いもふもふを掴むと同時に、曲がり角から顔を出す。
驚かしたつもりが、そこには座り込んでいる湊がいた。
しっぽは少し逆毛になって、警戒しているような感じ。
湊に意識はあるようだけど…もしかして…。
雪乃
雪乃
あなた、体力ないのね?
湊
うるさい。人間ごときが。
どうやら図星だったのか、顔をそらされた。

(へぇ、私より体力ないんだ…)

この時の私は悪い顔をしていたと思う。