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第21話

さよなら。
福原 雪哉
福原 雪哉
茉莉花、あのさ、俺……
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
ん?
福原 雪哉
福原 雪哉
……いや、ごめん、なんでもない
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
何かを言うために口を開いたらしい福原くんは、要件に入る前に言葉を止めて、笑う。
福原 雪哉
福原 雪哉
時間、まだいい?
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
うん、大丈夫
福原 雪哉
福原 雪哉
買い物でも、していくか
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
うん
ふたりで、近くのショッピングモールにやってきた。
真っ先に本屋さんへ向かったら、「茉莉花らしい」と笑われたり、

買いもしないのに、服をただ見るのにも付き合ってくれたり、

福原くんはバイクと釣りが好きらしく、私ひとりなら絶対に立ち入らない専門店に初めて入ったり、

本当に楽しかった。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(男の子と出かけるなんて、緊張しかしないと思っていたのに)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(ううん、違う。楽しいのは、相手が福原くんだからだ……)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(私が、福原くんを好きになったから)
外に出る頃には、空は薄暗くなっていた。
福原 雪哉
福原 雪哉
ちょっとまだ早いな
空を見上げて呟く福原くんは、苦笑いを浮かべている。
福原 雪哉
福原 雪哉
あのさ、まだ
理央
理央
雪哉?
言葉をさえぎって、女の子の声が乱入する。
振り向くと、理央さんがいた。

他にも、一緒に女の子が三人いる。
福原くんから視線を外し、理央さんは私を見るなりギロッと鋭い眼差しを向けた。
福原 雪哉
福原 雪哉
やめろ、理央
私を隠すように、福原くんが間に入る。
理央
理央
……ふたりで何してんの?
福原 雪哉
福原 雪哉
付き合ってるんだから、デートくらいするだろ
理央
理央
は?
福原 雪哉
福原 雪哉
理央が何を思っても勝手だけど、茉莉花は俺の彼女だから
福原くんが喋るたびに不機嫌顔を濃くしていく理央さんとは反対に、私の顔は赤くなっていく。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(俺の彼女……)
理央
理央
今日来なきゃよかった! 見たくないもん見た! 理央帰る!
理央の友達
ちょっと、理央~!? 待ってよ、勝手すぎなんだけど!
理央さんは、最後に私に一睨みをするのを忘れず、早歩きで去っていった。

その後ろを、友達が追いかける。
福原 雪哉
福原 雪哉
はー、まさか外でもあいつに会うとは思わなかった
福原 雪哉
福原 雪哉
茉莉花が彼女のふりしてくれて、助かったよ。
本当に付き合ってるって、信じたみたいだな
心底安心しきっているような笑顔に、見えない刃が刺さったみたいに、胸がズキンと痛む。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(そうだ、彼女の“ふり”)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(何を浮かれているの。最初から分かってたでしょ)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(私は、ニセモノなんだから)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(それなのに、好きになったりして)
福原 雪哉
福原 雪哉
あのさ、このあと
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
福原くん、今日はありがとう
福原 雪哉
福原 雪哉
……え?
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
すごく楽しかった。お礼なんて全然良かったのに、気をつかってくれて
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
さっきので、理央さんも完全に私のこと彼女だって信じたよね。
もう、彼女のふりは必要ないんじゃないかな?
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
私、帰るね。さよなら
福原 雪哉
福原 雪哉
ちょ、茉莉花!?
早口で、自分の言いたいことだけをまくし立てて、福原くんの顔を見ないように背中を向ける。
彼が引き止めようとしてくれたのは分かっていたけれど、振り向かなかった。
これ以上、好きにならないために。