無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

前の話
一覧へ
次の話

第1話

気になる他校生①
──最近、気になっている人がいる。

綺麗に染まった、鮮やかな茶色い髪の毛。
着崩したブレザーは、近くの公立高校のもの。

真剣な眼差しで本を見つめる、横顔。

放課後に通っている街の図書館には、他校生の男子がいた。


はつみ
はつみ
今日も図書館に行くの?
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
うん
はつみ
はつみ
毎日行くのって、結構面倒じゃない? 借りてくればいいのに
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
もちろん、借りている本もあるんだけどね。あの静かな空間で、本に囲まれて読むのがいいの。たまには、はつみちゃんも一緒に行こうよ
はつみ
はつみ
私、文字だけを読むの、そんなに好きじゃないから
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
はつみちゃんは、少女漫画専門だもんね
放課後の教室で、友達のはつみちゃんに手を振る。

扉の近くで大きな声を上げながら楽しんでいる生徒たちの後ろをそっと通ろうとしたけど、ぶつかってしまった。
クラスの女子①
あっ、ごめん、吉岡さん、いたんだ?
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
う、ううん、大丈夫……
本当はちょっと肩が痛んだけれど、そんなことは口に出せるはずもない。

教室を出ても、相変わらず賑やかな声は絶えない。
クラスの女子②
もう、気をつけなよ~
クラスの女子①
だって、吉岡さんって存在感ないんだもん。ぶつからなきゃ、そこにいたこと絶対気づかなかった
クラスの女子②
あははっ、ひっどーい
……聞こえてますけど。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(教室は、苦手)
あんなこと、もう言われ慣れているけれど、傷つかないわけではない。

吉岡茉莉花よしおかまりか、高校二年生。
地味に、目立たないように、今日もひっそりと生きています。



そんな私の日課は、放課後に街の図書館に通うこと。

静寂。360°どこを見ても本棚ばかり。本のにおい。
学校から徒歩15分ほどの場所にあるそこは、癒しの空間そのもの。

1歩踏み出して、すうっと空気を吸い込む。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(ここでは、呼吸が出来る)
ホッと息を吐いて、新刊コーナーへ。

本を選び、10人くらい着ける大きなテーブルの前の、お気に入りのソファーへ座る。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(ここで待っていれば、きっと……)
5ページほど読み進め、すっかり本の世界に入り込んだ頃、カタンとテーブルが鳴いて、ハッと顔を上げた。

テーブルの斜め前の席に、他校の男子生徒が座った。
彼の目の前には、ハードカバーの単行本。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(今日も、来た)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(あ、その本、私も先週読んだな……)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(すごい偶然。私は面白いと思ったけれど、彼はどうだろう)
鮮やかな色の髪の毛と、着崩した制服のブレザー。
私が苦手としている、スクールカーストトップにいるタイプの人。

真剣な眼差しで本を見つめる姿は、なんだかミスマッチ。

──彼は、今一番に気になる人。