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第5話

変わる世界
自らが発した言葉に、心臓が騒ぎ出す。
福原 雪哉
福原 雪哉
……マジ?
驚いている彼の声に、体がビクッと強ばった。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
は、はい……。だって、困ってるんですよね?
心臓の音は、ますます速く、大きくなるばかり。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(早まったかな?)
恐る恐る彼を見ようとすると、両手をぎゅっと強く握られた。
福原 雪哉
福原 雪哉
ありがとう! 助かる!
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
!?
手を握るどころか、男子と喋った経験自体がとぼしくて、どうしたらいいのか分からない。
本の中では、こんな場面は何度も見てきた。
その時の主人公たちの反応は様々で、「何するのよ」って殴ったり、
好きな人を相手にしていた場合は、握り返したり。
実際、自分のこととなると、何も出来ない。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
あっ、あの! ちょ、は、離して下さ……っ
福原 雪哉
福原 雪哉
俺、福原雪哉ふくはらゆきや。高二。あんたは?
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(聞いてないし!)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
よ、吉岡茉莉花……です。私も二年生……
福原 雪哉
福原 雪哉
よろしく、茉莉花
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(いきなり名前……!)
ニコッと笑った顔を見て、思う。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(決断、誤ったかもしれない)
真っ赤に染まった顔で今さらそんなことを考えても、発言は無かったことにはならない。
吉岡茉莉花。今日から、放課後の彼氏が出来たみたいです。
はつみ
はつみ
まりちゃん、大丈夫?
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
えっ?
はつみ
はつみ
今日、ずっとソワソワしてたみたいだから
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
う、ううん、大丈夫だよ
翌日、学校に行っても、昨日の出来事が頭から離れなくて、ずっと上の空だった。
そうこうしている内に、すでに放課後。
はつみ
はつみ
まりちゃん、今から時間ある?
今日ね、美子みこちゃんと、新しいクレープ屋さんに行こうって話してたんだけど、まりちゃんも行かない?
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
あ、私は……
昨日の彼との……、福原くんとの会話を思い出す。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
……ごめんね。放課後は、しばらく用事があって
はつみ
はつみ
そうなんだ。残念。今度は一緒に行こうね
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
うん、ありがとう
はつみ
はつみ
顔赤いけど大丈夫?
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
! だ、大丈夫だよ
言えない。こんなこと。
放課後だけ、気になっていた人の彼女になりました。……なんて。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(あれは、本当にあったことだったのかな)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(本の読みすぎで、ついには自分で妄想を生み出してしまったとか)
不安になって、通学かばんの中からスマホを取り出す。
トークアプリを開いてみると、“お友達”の中に、“福原雪哉”の名前があった。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(夢じゃない)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(パパ以外の、初めての男の人の名前だ……)
スマホを握る手に、ギュッと力が入る。
記憶の中の、いつもの斜め前に見えていた顔が、正面に更新される。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(見ていただけ、だったのに)
はつみちゃんに指摘された頬が、また熱くなる。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(今日も会える)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(不思議。足取りが、いつもより軽い)