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第2話

気になる他校生②
本の中の世界が大好き。

ここには、なんだってある。

どこにだって行ける。


それに反して、どうして現実はこんなに狭いんだろう。

だから私は今日も文字の中に逃げる。
そろそろ帰る時間。

本を閉じる。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(これ、家に借りていこうかな)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(あ、でもまだ昨日借りたばかりの本を読み終えていないんだっけ)
席を立ち、彼に目をやる。

私と同じように、彼も毎日図書館に足を運ぶ常連さん。

ここから見て斜め前の席。
そこがお気に入りみたい。

なんだか分かる。
私も、この席じゃないと落ち着かないし。

盗み見しているみたいで少し気が引けるのだけど、読んでいるタイトルは、ほとんど私も好きなものばかり。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(絶対に趣味が合うと思うんだよね……)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(感想……聞いてみたいな。話をしてみたいな)
はつみちゃんは小説を読まないし、他に本が好きな友達はいない。

私はいつも、ひとりぼっちでこの世界に入り浸っている。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(でも……)
彼に話しかける勇気なんて、持ち合わせてはいない。

帰り際、教室から聞こえてきた声を思い出して、胸がギュッと縮んだ。

見た目で判断するのは良くないことだと、理解はしている。

だけど、彼もあの人たちときっと同じだから。

私がもっとも苦手としているタイプ。

それに、顔が整いすぎていて、近寄りがたい気持ちに拍車をかけている。

……の、はずだったのに。



翌日は、いつも通りの日だった。

目立たないように、人に疎まれないように、少しの友達と小さな声で雑談をして、普通に授業も受けた。

だけどそれも、学校を出るまでの話。

それは、突然やってきた。


図書館に行って、昨日と同じ本を選んで、続きのページまでパラパラとめくる。

昨日と同じ席に座って、そんなことをやっていると、彼が現れた。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(あ、来た)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(……え?)
思わず二度見してしまった。

いつもひとりで図書館を訪れる彼が、男女をひとりずつ引き連れていたから。

バッチリメイクを施した女子と、髪の毛をツンツンに立ててセットしている男子。
理央
理央
ねー、雪哉ぁ。今日こそ逃がさないんだからね!
ハル
ハル
理央、お前本当にしつこいよな。いい加減うるせーし、雪哉も一回くらい付き合ってやれば?
図書館だというのに、彼以外のふたりの声は大音量。

利用客の誰もが、この三人組に目をやった。

受付カウンターでは、司書さんがごほんと咳払いをするけれど、特に効果はないらしい。
福原 雪哉
福原 雪哉
やだよ。てか、俺、ついてくるなら静かにしろって言ったよな?
理央
理央
えー?  理央は、充分静かにしてるよぉ?
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(彼女……とかなのかな)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(これだけかっこいいんだから、いるに決まってるよね……)