無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第14話

「俺が嫌だったから」
自分のスマホで時間を確認すると、図書館から帰る時刻が迫っていた。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(まだ明るい今のうちに、そろそろ帰らないと)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(名残惜しいな。時間が進むのが早い)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(あれ? そういえば、石山くんはどうしたんだろう。とっくに帰ったかな)
本を閉じて、まだ席に着いている福原くんに目をやる。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
私、そろそろ帰るね
福原 雪哉
福原 雪哉
あ、じゃあ、俺も
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
えっ、いいよ、私に合わせなくても
福原 雪哉
福原 雪哉
合わせてないよ。俺もそろそろ帰ろうと思ってたし。行こう
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
うん……?
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(福原くんはいつも、私より遅い時間に図書館を出ていっていたと思うんだけどな)
本を返却して、図書館の出入口に向かう。

その手前にある、休憩スペース。
そこに、見覚えのある影を見つけた。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(あれは……)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
……石山くん?
石山くんは、休憩スペースにあるテーブル席で、だらんと体を預けて暇そうにあくびをしている。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(まだいたんだ……。本を読まないのなら、帰ればいいのに)
福原 雪哉
福原 雪哉
あのさ、あいつって
石山
石山
やっと来たか
福原くんと石山くんは、ほとんど同時に喋り始めた。
石山
石山
学校に忘れ物した。行き方案内しろ
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
えっ……。元来た道を、また戻るだけなんだけど
石山
石山
初めて来たんだぞ。覚えてるわけねーだろ
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(威張いばれることじゃないような……)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(それなら、本当になんでここに来たんだろう)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(また石山くんとふたりきりか……。怖くて緊張するな……)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
わかった。じゃあ……、私も一緒に学校に行くね
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
福原くん、また明日
福原 雪哉
福原 雪哉
あのさ、あんたの忘れ物ってなに?
別れのあいさつをしようとしたら、福原くんはとても機嫌が悪そうに、石山くんに話しかけた。
石山
石山
は? 関係ねーだろ
福原 雪哉
福原 雪哉
ある。この子、俺の彼女だし。そっちの勝手な都合で振り回すなよ
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(福原くん……)
ジーンと感動する。
ニセモノの彼女なのに、ここまでしてくれるんだ。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(私が苦手で困ってるって言ったからだよね。優しいな)
ふたりの間に、バチバチと火花が散っているように見える。
石山
石山
……チッ。めんどくせ。もういいや
捨て台詞のように舌打ちと共に吐き捨てて、石山くんはひとりで図書館を出ていった。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(学校への戻り方も分からないくらいなのに、ひとりで帰れるのかな?)
石山くんの姿が完全に見えなくなった頃、福原くんに向き直った。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
ありがとう。石山くんとまたふたりで学校に行くなんて、どうしようって思ってたの。ちょっと怖くて……
福原 雪哉
福原 雪哉
いや、俺が嫌だったから
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
福原くんも石山くんみたいな人は苦手?
福原 雪哉
福原 雪哉
そういう意味じゃなくて
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
続きを聞きたかったけれど、福原くんはただ苦笑いをするばかりで、何も言おうとはしなかった。