私達はそれからなにも話す事なく
そのまま集まりのある教室へと向かった
教室に入った途端、他のクラスの女子から
黄色い歓声が聞こえる
席につき、少しからかうように隣の紫耀に言う
ドキッとした
私自意識過剰だ。
、
でも、だって‥‥
私の事を‥‥何かを訴えるような目で
真っ直ぐ私を見るんだもん‥
紫耀は目を少し細めて微笑む
やめてよ‥‥
紫耀は私の事なんて
もう好きじゃないだろうし‥
それに私だって昔紫耀の事に惹かれてた‥
でもそれは勘違いで‥
なのに、なのになんで‥
心臓がこんなにもドキドキしてるの‥‥
思わず、私は顔を歪ませた。
そう言い紫耀は私のほっぺを
人差し指でちょんちょんと突く。
ふわりと微笑み、私を見つめる紫耀。
そう言い私は紫耀を無視し委員会に集中する。
でもさっき言われた言葉が
頭から離れない。
委員会の話しも頭に入ってこない‥‥
気付けば委員会も終わっていた‥‥
紫耀に急かされ一緒に学校を出る
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。