「あ゙あ゙ぁ゙!!」
教室の電気を消し遮光カーテンを閉め、ダンボールで壁を作ったお化け屋敷は結構本格的だった。
脅かしてくるお化けのメイクもよくできていた。
3人はスタスタと先へ進んで行ってしまった。
永遠は立ち止まって私の手を握り真剣な顔で続けた。
気付くともう出口に来ていた。
永遠は笑顔でどこかへ走って行ってしまった。
みんな知ってたの!?
─────────
第十七話
混乱中
─────────
次に来たのは、体育館。
三年生がライブをやっていて、大盛り上がりだった。
横を見ると、真顔のりつしかいなくて季織も翔もいなくなっていた。
りつが歩きだそうとし私の手を引っ張った。
りつは少し顔を赤くして、こっちに向き直らずにそう言った。
体育館を出るとすぐそこに二人はいた。
混乱してるよ。
─────────
第十七話 [完]
次回▶︎第十八話
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。