"今日お昼一緒に食べへん?"
そんな時
侑からLINEが届いた
"ええよ、なんか用あるん?"
"久しぶりに一緒に食べたくなってん"
侑は本当にどストレートだ
そのどストレートさが時より羨ましくなる
本人はなんとも思わず発しているのだろうけど
『おまたせ』
『おん』
そして
授業が終わって
屋上で侑と集合した
『やっぱり侑来るの早い』
『お腹すいとるから早く食べたいねん』
そう言って
侑はいつもと同じように
購買のパンをほうばった
『あれ、今日弁当じゃないん?』
『今日寝坊してコンビニ寄ってん』
一方私は珍しくコンビニのパンを広げた
『あ!これ、シールついとるパンやん』
『そうそう、懐かしくて買ったんよ』
コンビニに寄ったら
小さい時によく買っていたシール付きのパンを見つけて
懐かしいななんて思ってそれも買った
『まだガキやな』
『たまにはええやん?』
いざパンを開けて
シールを見てみると
めっちゃブスな(ごめん)キャラクターのシールやった
『なにこれ、ブッスいな』
『あなたがブスやからちゃう?』
『ウザイわ』
そのシールは侑に押し付けた
『いらんのやけど』
『まあまあ、スマホにでも貼っとけや』
いらないと言いながら
侑はスマホにそのシールを貼った
『絶妙にダサいな』
『あなたが言ったんやろ』
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。