第9話

お約束
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2020/12/13 12:01






『いや〜!まさかOKしてくれると思わんかったわ〜!』











放課後

私と宮侑は学校の近くの喫茶店で待ち合わせた










『・・・しゃあなしやし』








『ふっふ、全然ええで』









店員さんを呼んで宮侑はコーヒーを頼んだ















『え、コーヒーとか飲むんだ、意外』







『そうなん?何飲むと思ったん?』







『うーん・・・オレンジジュースとか・・・ガキっぽいし』







『失礼なやつやな!!!!!』












私にクワッとそう言って

届いたコーヒーを飲む宮侑











『・・・ふっ、大人の味?やわ・・・!』











でも口に入れた途端表情が歪んでいたので

やっぱりこいつはカッコつけてるだけだなと思った













『と、ところで話ってなんなん?』








『あっ、忘れてた』












今日宮侑を呼んだ理由





それは仮の彼女をやる上のお約束事を言いたかったからだ

















『仮の彼女になってあげるけど今から言う約束守って』








『お、なんなん?』















私は宮侑の提案を引き受ける代わりに

約束事を作ることにした










あくまでも付き合っていないので

万が一宮侑が下手なことをしだしたらでは遅い
















手を繋がないこと






キスをしないこと






エロいことはしないこと






デートもしないこと



















『おん、守るで』










私が以上のことを提案すると

宮侑は思ったよりすんなりいいよと言ってくれた















『その代わりに俺の事"侑"って呼んで欲しいんやけど』







『えぇ、やだ』









『彼氏をフルネーム呼びはおかしいやろがい』










『あー、それはおかしいなぁ』









『あとこれ』








『ん?』










宮侑は私の前にスマホを差し出した













『LINE、交換しようや』










少し気が引けたけど

彼氏のLINEを持っていないのは

おかしいにもほどがある









そして話しかけなければいい話















『ええよ』













LINEを交換すると

宮侑は席を立って伝票をレジに持って行った













『いや、いいよ』








『ええで、払う』










財布を出す暇もなく宮侑は支払いを済ませて

私たちは喫茶店を出ていった












『じゃあまた明日』








『おん、じゃあね』
















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