『奪取』
☆41☆
あの日…
ガラガラッ!!!
母「〇〇っ!!!」
血相を変えて保健室に飛び込んできた母は、
母「…あ、あの…私が代わりますから。」
と、私の手を握りしめていた先輩に、そう言ったが…
望「俺…離せないんです……約束してもうて/……」
少し照れながらも、
私を守ると誓った先輩の、確かな眼差しに、母はノックアウトだったらしいw
〇「行ってきま〜す!」
母「はい!行ってらっしゃい!小瀧くんによろしくねぇ〜w」
母は何かと先輩を気にするw
〇「せぇ〜〜〜んぱいっ!?」
毎朝、待ち伏せして、通りかかった先輩にパタパタと小走りに駆け寄る。
ここまでは前と何ら代わりないんだけど…
望「おはよ♡」
そう言ってフワッと微笑む。
私の一番好きな笑顔でww
☆42☆
とは言え、周りの人から見たら、今までと何ら変わりのない風景かも知れない。
でも私…
『奪取』しちゃったからさぁ〜
望「ん…//」
〇「えっ?」
望「手っ//」
〇「えっ?何ですか?」
望「手だよ手ッ!//」
〇「ふふっw 手って…コレのこと?w」
ニヤッと笑った私は、先輩の手首を掴んで、おもいっきり走った!!!
望「ちゃうわ〜〜!フツーに手を繋ぎたかっただけやぁ〜〜!」
私に引っ張られながら、嬉しそうに叫ぶ、そんな先輩は…
私が『奪取』した宝物♡
☆fin.☆
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!