⚠️ネタバレ注意です。
トシカレ見てない方や、知りたくない方は見ることをおすすめしません。
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episode3 チェーン
道枝side
ピピピピピピ…カチッ
テレビドラマでは、いつも特別なことが起こる。
日常の中で何か特別なことが起こってる。
それをきっかけに主人公の人生が大きく変わっていく。
でもそれは、ドラマの中だけの話だ。
特別なことなんて、少なくてもこの街でなんて起こらない。
『えぇーー!!なんだよ〜!』
『なんだよこの坂道……』
ビューン(自転車が通る)
『え……ハァハァ……』
ピピピピピピ……カチッ
看板【回り道】
『はぁ……』
ビューン
『ハァハァ……』
ピピピピピピ……カチッ
今日いたら、絶対に俺が追い抜く…!!
ビューン
来たっ!!
(追い抜く)
(追い越される)
俺は一体何で戦ってるんだ!?
(目が合う)
「……!!」
『……!!』
『よっしゃぁ……ハァハァ』
『(振り返る)……え?』
『あの…』
「……!!」
『それ』
桃坂「あぁ……」
桃坂「1年生?」
『はい』
桃坂「あぁ…年下だ。」
『…2年生ですか?』
桃坂「…うん(ニコ」
(ガチャン)
「『あっ!!』」
桃坂「ハマった!!」
『ふぅ〜〜』
桃坂「……うふふwwww」
『ん?』
桃坂「顔ww」
『え?』
桃坂「カシャ)(見せる)」
『うわっ!!』
桃坂「あはははwwwwwww」
「ありがと…!」
『じゃ!』
桃坂「ねぇ!」
『(振り返る)』
桃坂「サボっちゃおっか」
『え?』
桃坂「名前は?」
『道枝です…』
桃坂「え?小枝!?」
『いやww小枝じゃなくて道枝w』
桃坂「あぁー道枝くんかww」
『はい』
桃坂「道枝くんはこの街で育ったの?」
『あぁ、はい』
桃坂「敬語じゃなくていいよ。」
『でも先輩だし』
桃坂「道枝くんはずっとこの街にいるの?」
『俺は……まあそーですね』
『生まれてからずっとなんで!!』
桃坂「行きたい場所とかないの?」
『え?行きたい場所?』
桃坂「うん。見てみたいものとか、住んでみたい場所とか!!」
『…………宇宙とか。』
桃坂「宇宙!?」
『月とか?』
桃坂「月かぁ、」
『まあ無理ですけどね〜』
桃坂「無理じゃないよ!!月旅行とか行ける時代だよ!!」
『まあ…』
桃坂「行きたいとこがあるってなんかいいじゃん。」
『そーですかね?』
桃坂「私もーすぐこの街出るんだ。」
『えっ?出るって?』
桃坂「1年間交換留学に行くの。イギリスに。」
『交換留学!?』
桃坂「そう。」
『凄いですね!!』
桃坂「凄くないよw親が決めた事だし。そんなに行きたいとも思ってないんだよね。私は」
『……そーなんですか。』
桃坂「でもうちの親厳しいから」
『…え。』
桃坂「ダサいでしょ?wなんか全部親の言いなりって感じで」
『そーかな?』
桃坂「え?」
『行けるところがあるって…なんかいいじゃん!』
桃坂「行けるところかぁ…」
『俺なんかこの街から出たことないし。
毎日同じ時間に起きて自転車こいで、同じ景色見てww』
桃坂「ねぇ、登ったことある?」
『え?』
ねくすと
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。