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第56話

番外編:寒空に、雪ひとつ。
275
2022/02/08 09:00
神月あなた
あ、雪。

その声で、目が覚める。

もう一度、夢の中へ落ちてしまいそうだったが、妙に元気なあなたの声がそれを俺に許さなかった。
神月あなた
義勇さん、見てください。
雪ですよ…!
冨岡義勇
それほど珍しいことでもないだろう。
神月あなた
もう。
そういう事じゃないんです。

神月あなた
今日は、貴方のお誕生日でしょう?
そんな特別な日に雪が降ったのが嬉しいんです。
冨岡義勇
あぁ、そうか。
自分の誕生日なんて忘れていたな。
神月あなた
私はちゃあんと覚えてますよ。
今日は2人でいましょうね。
冨岡義勇
言われなくても傍にいる。
神月あなた
……ありがとう。
ねぇ、義勇さん。
一つだけ、柄にもないこと言ってもいいですか?
冨岡義勇
あぁ。
なんだ?
神月あなた
私の想いも雪と同じ。
降り続いて積もっていくんです。
冨岡義勇
そうか…
神月あなた
ふふ、柄にも無かったですね。
さぁ、朝ご飯作ってきます。
冨岡義勇
あ、あなた。
神月あなた
はい?
冨岡義勇
俺の気持ちも、多分、雪と同じだな。
神月あなた
……はい。


その時あなたが浮かべた笑みは、雪を背景に、驚くほど綺麗だった。
神月あなた
あぁ、そうだ。
義勇さん。
冨岡義勇
なんだ?
神月あなた
改めて、お誕生日おめでとう。
ずっとずうっと愛してますよ。


ーー
🌸auteur🌸
🌸auteur🌸
冨岡さん、ハピバ!
投稿全然してなくてすみません!

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