紫耀side
こんなに薄い服を着て外を歩き回って
風邪を引く心配より、
変な目で見られることの方が心配だ
少しして、服を着た海人が俺の前に来た
案の定、首元がぱっかり開いていて
雨にでも濡れれば透けてしまうようなシャツで
こんなエロい姿、廉には絶対見せたくない…///
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ご飯作って、っておねだりして
美味しそうにご飯食べて、
「紫耀のご飯一生食べたい」って
プロポーズにも聞こえるようなことを言って
その気にさせて…
全く、ずるいやつだ
服を脱いで部屋をウロウロする
こういう姿を見せるのは
果たして俺だけだろうか
それとも…
海人が後ろから抱きついて来た
びっくりと嬉しさとドキドキが合わさって
身体が動かない
妙に色っぽい声がすぐ背後から聞こえる
トクトクと海人の鼓動であろう音が俺の中に響く
「俺もう限界」って…///
海人お前…そんな誘い方すんのかよ…///
海人は擦り寄るように俺を抱きしめて
マーキングするかのように匂いを嗅いできた
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海人の腕の力が一気に抜けて
するりと床に倒れ込んだ
モコモコパジャマを着た海人を抱っこして
寝室まで運んだ
なんだよ…
海人に誘われたと勘違いしたなんて、
恥ずかしすぎる…////
掛け布団をそっとかけて
帰ろうした時だった
寝ているはずの海人が俺の手をぎゅっと掴んだ
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起こしてしまったのか、
うっすら目を開けている
俺も…
俺も海人が好きだよ…
頬に添えた手をゆっくり寄せる
そんなことを言われては好きな想いは止まらない
近付いていく唇が重なるまであと数センチ…
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廉かよ…
なんで…俺じゃねぇんだよ…
…キスなんてしなくて良かった、、
ー翌日ー
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next…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。