第3話

#3
1,062
2018/04/13 12:15
大貴
大貴
山田さーん。帰るよ〜
あなた

あ!うん!

あの日から毎日、お昼は一緒に食べ、帰りは教室まで迎えに来てくれる。
周りから見たら、本物のカップルに見えてるのかな?
そんなことを考えながら、いつも過ごしている。
大貴
大貴
ねぇ、聞いてる?山田さん。
あなた

ご、ごめん!なんの話?

いきなり顔を近づけてくるから、ドキッとしてしまった。
大貴
大貴
あのさ、今度の土曜日に映画でも行かない?
あなた

えっとぉ、それってデートのお誘いですか?

おずおずと聞いてみる。
大貴
大貴
だったら悪い?
あなた

いや、悪くない!嬉しい!行きたい!ニコッ

大貴
大貴
っ////あっそ。じゃあ8時に迎え行くから。
有岡くんはいつも、なんだか素っ気ない。

まぁ、別に気にしてないけど。どうせ私は偽物だしね。
あなた

うん。

一緒に帰ってくれるけど、家まで送ってくれるわけじゃない。

迎えに来てくれると聞いて、少し驚いたくらいだ。
あなた

楽しみだなぁ…

大貴
大貴
ちゃんと準備しといてよ。
あなた

もちろん!ニッ

満面の笑顔で笑って見せた。

すると有岡くんは、そっぽを向いてしまった。
夕日に照らされたキレイな顔は、いつもと違ってとてもカッコ良く見えた。
この顔を、ずっと見ていたい。

独り占めしたい。

誰にもあげたくない。
私は有岡くんが、本気で好きだ。
今はまだ偽物でも、いつか好きになってくれる日が来るのかな?

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