第7話

#6
916
2018/04/14 08:18
今日はまだ春に突入したばかりだから、スカートからのぞく脚を冷たい風がそっと撫でる。
大貴
大貴
あのさぁ
突然有岡くんが口を開く。
あなた

なに?

大貴
大貴
さっきの、誰?
あなた

えっ?

大貴
大貴
教室で仲良さそうに話してた男。だれ?
あなた

あぁ、あれは幼馴染の知念くん。
幼稚園からよく一緒にいるんだよ。

大貴
大貴
あっそ。そうなんだ。
あなた

もしかしてヤキモt...なんてね。あるわけない無い。
1人で首を横に振る。
大貴
大貴
そう言えば、なんか俺たち周りからあんまり付き合ってるように見えない気がするんだよね。
あなた

そうかな?

大貴
大貴
うん。
だから、なんか証拠?みたいなの作らない?
あなた

うん。いいけど…何するの?

大貴
大貴
う〜ん...じゃあ、シャーペン交換しようか!
あなた

分かった。でも私、持ってるの1本しかないんだよね。

大貴
大貴
俺のと交換すれば変わらないじゃん。
あなた

でもこれは…

ダメだよ。これは、おまじないをした紙が...
大貴
大貴
良いから。はい!
差し出されたのは、チェック柄のシンプルで大人っぽいシャープペン。
私が持っているのは、ピンクと白の水玉模様。お花のチェーンが付いている。
大貴
大貴
フッ可愛らしいシャーペンだね。山田さんらしいよ。
あなた

ど、どうも。

バレませんように。どうか中身を見ないでー💦
キーンコーンカーンコーン♪
あなた

あ!昼休み終わっちゃう!

大貴
大貴
急ごう?
ふいに手を引っ張られた。そして駆け足で教室へと戻った。

結構走ったハズだけど、私にはごく一瞬のように早く感じた。

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