第23話

#22
808
2018/05/13 14:17
あれから5分ほど、私の前をスタスタと歩いている有岡くん。

何も言ってこないし、声をかけるのも怖い。

何を考えているのか分からない有岡くんの背中をただ見つめ、競歩のような速さで進んでいく彼を必死に追いかける。
あなた

ねぇ、有岡くん?

大貴
大貴
.....
反応なし。

そのまま歩き続ける有岡くん。
あなた

有岡くん?ねぇってば!>⊂(´・ω・`)グイ

あ、引き止めてしまった。

少しでも長く私たちの関係が続くのなら、ただ追いかけるだけでも良かったかもしれない。

無理に話を聞かなくても...

でももう遅い。ちゃんと話を聞こう。
大貴
大貴
あ、ごめん。
あなた

やっと止まってくれた!歩くの早すぎ!ついてくの必死だったんだから!

大貴
大貴
ごめん。そんなつもりじゃ...
あなた

呼んでも気づいてくれないし。

大貴
大貴
全く聞こえてなかった。ちょっと衝撃的過ぎることが起こって。
気付くとココは校舎裏。

有岡くんはきっと、人目のつかない所へ連れ出したかったのだろう。
あなた

どうしたの?衝撃的すぎることって、なに?

大貴
大貴
どこまでがウソなの?
あなた

へ?

意味のわからない質問に、頭がhatenaで埋め尽くされる。

「どこまでがウソなの?」

ん?どゆこと?¿?¿( ˘•ω•˘ )?¿?¿
大貴
大貴
これ...
あなた

あっ(;°□°)!

スッと差し出されたのは、細長く折り目のついた白い紙。

間違いない。私がシャーペンに入れた紙だ。

きっと中も見ただろうな…
あなた

なか、見た?

大貴
大貴
え、うん。
あなた

だよね…

そんなもん入ってて見ない人の方がいないと思う。
大貴
大貴
これってさ、ホントなの?
そんなの当たり前じゃない!

私はあの日から、ずっと有岡くんのことが気になって気になって仕方なくて。

これが恋だって気づいた時には、おまじないなんて馬鹿なことしてたんだもの。

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