~流星‘s side~
友達の彼女に一目惚れするなんてなぁ。
そういえば、昔から好きなアイドルのタイプは一緒やったなって思い出す。
…好みのタイプ、ドンピシャや
見た目も、話す声も、笑う姿も
理想のタイプがそのまま形になって現れた
それからは寝ても覚めても、彼女の姿が頭から離れんくて
ホンマ、ヤバイで俺
仕事からの帰り道
駅前であなたを見かけた。
とうとう、幻覚まで見えるようになったん?
って思ったけど、どうやらホンマにあなたがそこにいて
大きな荷物をかかえて、困ってた。
思いきって声をかけたんやけど
あれっ、変な顔されとる?
イケメンやって
そんなお世辞すら嬉しい
他愛のない話をしながら、彼女と歩く
俺が話す度に彼女が笑う
楽しくて、この時間が続けば言いって思うけど
…あいつの彼女やしな
なくならない、事実
社交辞令やって分かってるけど
それでも嬉しい
まぁ、友達になるくらいええやろ
そんなことを思いながら、帰り道についた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!