~淳太‘s side~
梅雨時期にしては、珍しく青空がキレイな日曜日
着なれないフォーマルスーツを着て、俺は親友の結婚式に来てた。
…祝福されてるってことやろな
雲一つない青空は2人の門出を祝福してるんやろ。
目の前のあなたは今まで見たことないくらい、キレイな花嫁姿で
あいつが羨ましくなる。
俺とあいつとあなたは、昔からの腐れ縁で、
いつも、どこに行くのも3人一緒だった。
ずっと続くと思ってた3人の関係は
いつしか姿を変えていて
あなたの視線に先にはいつもあいつがおった。
それはあいつも同じで
いつしか2人は恋人同士になっとった。
俺の心だけ、置いてけぼりになったまま
そうでも言わんと、眩しくて見てられへんのよ。
そんな言葉にちょっとだけ優越感を感じる。
あの映画のように、ここから奪いされたらって思うねんけど
それは出来ない話で
としか言えないやん
幸せになってくれへんと、俺の心が救われないやん
そう言って部屋を出ようとしたら、
急に呼び止められた。
その言葉に涙がこぼれそうになる。
泣きそうな顔を見られたくなくて、振り返らずに片手を挙げて、部屋を出た。
外は相変わらず、気持ちがいいくらいの晴天で
泣きそうな心を溶かしていく
俺の想いは無駄ではなかったんかな。
そろそろ前に進まんとな。
晴れた青空にそう誓った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!