第3話

|いきなり
290
2018/04/29 14:58
私は、春本瞬の正体が気になったため、思い切って母に聞いてみた。

_ 春本瞬って言う人、知ってる?

_ ... わからない。

_ そっか。クラスの皆のアルバムを見てたら、どこかで見たことあるような気がして。それに昨日もお見舞いに来てくれてたから。

_ そう... なんだ。

母は少し悩むような表情を浮かべながら仕事へ向かう準備をしていた。

_ じゃあ、お母さん行ってくるから。

_ うん。 気をつけてね。

話し相手がいなくなると一気に退屈になる。
それにしても春本瞬って誰なんだろう…

昔からの趣味である裁縫をしながらそんな事を考えていると、いつの間にか病室の窓からオレンジ色の光が差し込んできた。

もう夕方か… 今日も特に回復の進展はなかったな。どうすれば記憶が戻るんだろうと悩んでいると、急にドアの開く音がした。びっくりしてドアの方を見てみると、そこには春本瞬が立っていた。

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