第6話

|おもい
207
2018/03/31 10:31
病室の窓から見える枝ばかりの木にも、だんだんと桜色の蕾が見え始めてきた。

季節の移り変わりは早いものだけど、私の記憶の回復はまだあまり進んでいない。

コンコン、とドアをノックする音が聞こえる。“はーい”と応えるといつものように瞬君がそこに立っていた。

_ やっほ、調子はどう?

_ いつも通り、普通だよ。

_ またそれか、(笑)

_ だって普通なんだもん、(笑)

_ そっか。
あの...さ、そろそろ今までの関係をどうするか、決めたいんだ。

いきなりの話に驚きを隠せなかった。
私には今の関係が心地よかった。

_ あ... うん。

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