第11話

八話
1,541
2023/04/02 09:12
杏視点
白石杏
白石杏
あなた~!!
暁山瑞希
暁山瑞希
居ないのかな。
白石杏
白石杏
...........
ストリートのどこを探しても見つからない。
私の勘違いだったのかな。


いや違う。きっとあなたはストリートの
どこかに居るはずだ。
白石杏
白石杏
あなたはきっと、いる!
白石杏
白石杏
あ、私の家でご飯だけ
食べて、探さない?
東雲彰人
東雲彰人
いいのかよ。
白石杏
白石杏
多分、父さんに話せば
何とかなると思うし。
暁山瑞希
暁山瑞希
なら、一回行こう。
私達は父さんが経営してる店に行って
父さんに事情を話した。


父さんは許してくれて、私達はご飯を食べる。
そういえば、その探してる嬢ちゃんは
ここにいるのか?
白石杏
白石杏
わかんない。けど
きっと、このストリートに居るって
思う。
青柳冬弥
青柳冬弥
俺たちは、白石の言うことを
信じて探すしか無いんです。
そうか。
どこにいるだろう。ご飯を食べながらも考えた。



そういえば、まだ私が小さくて、凪さんとよく
過ごしてたときに、隠れんぼしてた時。


凪さんがとっておきの場所を教えてくれて。
すっごく綺麗な場所だった。
白石杏
白石杏
あ、、、もしかして。
あの場所.......行き方が
分からなかった。
あの場所なら...........!!
神代類
神代類
どこか、心当たりの場所が
あるのかい?
白石杏
白石杏
いや、私が昔凪さんって人と
遊んだときに隠れんぼして、
凪さんがとっておきの場所を
教えてくれたんですけど、
ストリートを歩いてた私でも
見つからないぐらいだから
なかなか見つからない場所だと
思うんです。もしかしたら
あなたが居るんじゃないかって
思ったんです。
小豆沢こはね
小豆沢こはね
なら、探してみようよ!
そうなんだけど。探したいんだけど。
白石杏
白石杏
昔のことで詳しい道を
覚えてないんだよね。
東雲彰人
東雲彰人
大事な部分が無いじゃねえか。
白石杏
白石杏
でも、覚えてるのは
建物と建物の間で、
近くの建物の梯子を登って
そこから降りたら
その場所に付くのは
覚えてる。
凪は杏に何をさせてるんだ。
白石杏
白石杏
でも、その時は
その建物は外装部分しか
出来てなくて、
その場所になにが出来るかも
覚えてないんだ。
凪と遊んでた時期だと
最近できた服やの隣の店、
楽器屋なら
梯子もあるし、その場所の
条件にあうんじゃねえか?
白石杏
白石杏
楽器屋...........
そうだ。そこの梯子を登って
降りたところだ、、!!
朝比奈まふゆ
朝比奈まふゆ
それなら、早く行こうか。
ありがとうございました。
美味しかったです、ニコッ
あなたのお姉さんだからなのか分からないけど
何となく、あなたと同じで、どこか悩んでそう。


あの笑い方。私があなたを始めて見たときと
同じ笑い方だし。


やっぱり、あなたの言う通り
何事もお母さんが厳しくて、お姉さんも
あんな風になるんだろうな。


私にはあなたの苦しさも分からないけど。
あなたにとってお姉さんが大切な存在なのは
分かってる。だから。
あなたを見つけて、お姉さんに会わせないと。
神代類
神代類
いこうか。白石くん
その場所まで連れて行って
くれるかい?
白石杏
白石杏
こっちです!!!
私たちは店をでて、急いで走った。













走って数分の所には楽器屋がある。
建物には梯子がある。


あの時の記憶と外装は一致する。
ちょっと色が剥げてたり、落ちてたりするけど。
けど、ここだ。
青柳冬弥
青柳冬弥
ここか?確かに
梯子はあるが
隙間なんてどこにも。
白石杏
白石杏
よいしょっ、、と。
お店の人も居ないし
この梯子を登って。
東雲彰人
東雲彰人
お店の人いねぇからって
だめだろ。
白石杏
白石杏
ここから見て、
右側の建物の裏に...........
あ...........あれって。
私の目には、目を閉じて
倒れている、あなたの姿があった。
白石杏
白石杏
あなた!!!
暁山瑞希
暁山瑞希
居たの!?
白石杏
白石杏
でも、倒れてる。
私の家に取りあえず
運ぼうかな。








梯子のせいで、運ぶのはムズそう。


あなたのおでことか触っても
暑くないし、心臓も動いてる。

でも、何だか息苦しそう。
小豆沢こはね
小豆沢こはね
杏ちゃん...........
白石杏
白石杏
起こした方が良いのかな。
暁山瑞希
暁山瑞希
そうだよね。
すっごく苦しそう。
でも、ここから運ぶには無理だから。
仕方ない。
白石杏
白石杏
あなた...........起きて。
少し体を揺すると、あなたはバッと起き上がった。
(なまえ)
あなた
っ...........!!ハァハァ。

あ、、、杏?
(なまえ)
あなた
こはねに、彰人に、冬弥に、
瑞希に、類。それに
お姉ちゃんまで。
どうしてここ知ってるの?
白石杏
白石杏
凪さんとの思い出の
場所だったから。
朝比奈まふゆ
朝比奈まふゆ
あなた...........私は先に帰る。
そっか。あなたのお姉さんも
帰らなきゃ行けないもんね。
朝比奈まふゆ
朝比奈まふゆ
私には、あなたの気持ちは分からない。
けど私がお母さんに必要ないって
言われている音楽を続けてるように、
否定されてもあなたがこのままで
居たいなら。
それで良いんじゃない...........?
それに、辛いならその辛いことを
伝えるべき。
(なまえ)
あなた
...........でも。
朝比奈まふゆ
朝比奈まふゆ
そうやって。怖がってても
なにも変わらないから。
それじゃあね。
どこか、言い方が冷たい。
けど。あなたの事を大切に思ってくれてるのは
分かる。
お姉さんはあなたに幸せになって欲しいって
思ってくれてるんだろうな。
あなた視点


お姉ちゃん行っちゃった。


私の性別の事伝えろって言いたいの?
言いたいと思う。

でも...........!!
暁山瑞希
暁山瑞希
あなた...........大丈夫?
(なまえ)
あなた
瑞希、私言えそうにないや。
東雲彰人
東雲彰人
お前なぁ。
ここまで来るのに
どれだけかかったと...........!
神代類
神代類
東雲くん。あなたを攻めるのは
やめてもらいたい。
類も、瑞希も。
側にいてくれなくなるかも知れない。
白石杏
白石杏
あなた...........怖い、よね。
それに、杏も。
大切な物が全て無くなるかも知れない。
(なまえ)
あなた
っ...........
小豆沢こはね
小豆沢こはね
あなたちゃん...........
(なまえ)
あなた
私だって、言いたいと思う。
東雲彰人
東雲彰人
それなら、早く言えば........!!
白石杏
白石杏
彰人!!ちゃんと
あなたの話聞いてあげなよ。
また、迷惑がかかってる。

今回は、こはねや彰人。冬弥まで。
(なまえ)
あなた
でも...........今まで皆離れていった。
青柳冬弥
青柳冬弥
離れていったとは?
(なまえ)
あなた
そのままの意味。私の事伝えたら、
『気持ち悪い』だの『浮いてる』だの
散々な言葉を何度言われたかも
覚えてないくらい、言われてた。
けど、私の事を受け入れてくれて
支えてくれたのは、お姉ちゃんと
屋上で過ごした類と瑞希。
(なまえ)
あなた
高校に入学して。
今回ならって思って思い切って
伝えても。理解してくれなかった。
(なまえ)
あなた
だけど、杏だけは。
理解してくれて。
(なまえ)
あなた
でも、今ここで私の事
話したら、皆が離れてくかも
知れない...........
暁山瑞希
暁山瑞希
あなたの中で色々な葛藤が
あるんだよ。
東雲彰人
東雲彰人
そもそも、離れるとかの
前に、何で悩んでるのか
教えてほしいんすけど。
暁山瑞希
暁山瑞希
弟くん、話聞いてた?
(なまえ)
あなた
瑞希。ありがとね。
もう、私言わないといけない。
これ以上迷惑かけないためにも。
白石杏
白石杏
あなた。彰人はともかく、
こはねや冬弥は離れることない。

離れたとしても、絶対に私が
側にいる。だから。
話してみて...........?
なんで...........こんなに迷惑かけてるのに
杏も瑞希も、類も。私のこと一番に
考えてくれるのかな...........


これだから、話しづらくなるのに。


なのに...........!!


私の事を話して、性別の事なんて、
何も気にしないで活動したいって思う。
(なまえ)
あなた
わ...........私ね。
(なまえ)
あなた
女の子じゃ無い...........んだ
小豆沢こはね
小豆沢こはね
女の子じゃない?
スカートはいてるからてっきり
ずっと女の子だと思ってた...........
青柳冬弥
青柳冬弥
あぁ。俺も同じ考えだった。
東雲彰人
東雲彰人
てか、女の子じゃねぇって事は。
ほら。やっぱりこうなる。


こはね、彰人と冬弥とバイバイかな。
(なまえ)
あなた
僕は、正真正銘の男だよ。
小豆沢こはね
小豆沢こはね
そう、だったんだ。
青柳冬弥
青柳冬弥
白石は前から知ってたんだな。
白石杏
白石杏
うん。
東雲彰人
東雲彰人
...........
皆、困らせちゃった。


彰人なんか喋ってくれない。


こんな奴と関わりたく無いよね。
そりゃそうかww


普通に考えて、周りから見たら


『気持ち悪い』よねw
(なまえ)
あなた
あはは、だからごめん。
私みたいな奴と一緒に
居たくないでしょ?
東雲彰人
東雲彰人
は?
青柳冬弥
青柳冬弥
ん?
小豆沢こはね
小豆沢こはね
え?
(なまえ)
あなた
え?
小豆沢こはね
小豆沢こはね
どうして、その考えに
たどり着くの?
(なまえ)
あなた
だって、普通に考えて
気持ち悪いじゃん。
青柳冬弥
青柳冬弥
気持ち悪いのか?
俺は朝比奈がそうしたいのなら
それで良いと思うんだが。
(なまえ)
あなた
でも、活動で声とか...........
東雲彰人
東雲彰人
あ~。だから声だったんだな。
別に良いんじゃねえか?
高い声が出なくても、
それが揃って初めて、あなたになる。

どれか一つ欠けてたら、
それはどこか自分じゃない自分。
暁山瑞希
暁山瑞希
あなた。弟くん達で良かったね。
私、このままでいいのかな。


また迷惑かけるかも知れないのに。
(なまえ)
あなた
っ...........
東雲彰人
東雲彰人
お前は、活動したいのか
したくないのか、どっちなんだよ。
それは...........
(なまえ)
あなた
したい。けどいいの?
東雲彰人
東雲彰人
だから、別に声高い声出なくても
いいつってんだろ。
小豆沢こはね
小豆沢こはね
あなたちゃんは、それ以外にも
良いところが沢山あるし!!
青柳冬弥
青柳冬弥
それに、活動に
性別なんて関係無いだろう。
白石杏
白石杏
ほら。皆優しいよ。
あなた。一緒に活動しよ?
(なまえ)
あなた
...........あはは
皆優しいね。ありがと。
暗いなんて、私向いてないかも...........?
(なまえ)
あなた
よっし!明日からちゃんと
頑張ろうかな!
暁山瑞希
暁山瑞希
急に元気になるじゃん。
(なまえ)
あなた
私の居場所はやっぱり、
VividBADSQUADだけだね!
ビビバスの一員で。

屋上組の一員で。
(なまえ)
あなた
本当に良かった!!
(なまえ)
あなた
あ、そうだ瑞希。
私は、瑞希の耳元で小さく
囁いた。
(なまえ)
あなた
瑞希も。グループの
皆に伝えてみたらどうかな...........
きっと楽になると思うよ。
暁山瑞希
暁山瑞希
...........!!!!!
白石杏
白石杏
瑞希?
暁山瑞希
暁山瑞希
そうだね。
気が向いたら。
瑞希がちゃんと進めることを祈ってる。


私が進むのに、瑞希に手伝って貰ったんだから。
次は、私が手伝って上げれたら。いいな。


私みたいに性別で悩む人が一人でも
少なくなってくれる世界を望む。

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