第6話

モテモテ
518
2020/10/02 23:35
ま、あなたは俺達のマネージャーになって、月日は経って俺も研磨も高校生になった。


黒尾
「おーい、研磨」

研磨
「分かってる」


部活が無い日はあなたを迎えに行く。全く方向が違うから遠回りになるけど、会いたいからあまり気にしなかった。





研磨
「本当にモテるよね、クロは...」


ゲーム機から少しだけ目を離して研磨は呟いた。


黒尾
「全く... 卒業しても変わらないのかよ...」


高校生の今もそうだけど、俺は中学の時からモテた。他校の女子も来るほど。あなたを待っている時によく絡まれるけど、上手くスルーしている。


研磨
「あなたの方も変わらないみたいだよ」

黒尾
「はぁ...」


正門に向かって来るあなたの周りは男子ばかり。彼女も昔から人気がある。
俺達、大変同士だな〜


あなた
「2人ともまた来てくれてありがとう!帰ろうか」


あなたは男子達に"じゃあね"と告げて俺の隣を歩いた。


黒尾
「お前もかなり長くモテるんだな」

あなた
「"も"て、てっつんは今も?」

黒尾
「あぁ... 何か面倒くさいくらい。お前はでもさ、何か嫌そうじゃないよな?何か方法とかあるのか?」


俺はあなた以外の女子に興味が無いから、絡まれるのも嫌いだ。あなたはどうなのか知らないけど、平気に見えるから訊いてみた。


あなた
「私?んー 方法なのか分からないけど、皆に言っているよ。好きな人がいるから、て。それによく、あまり話さない人達から告白されるから、お互いを知らない状態で付き合うのも好みじゃないから」


"好きな人がいるから"... そうなんだ...


あなた
「まぁ、で、友達としてなら仲良くしても良いよ、て私は言うからたいていOKされて、さっきみたいに囲まれる訳。簡単に言えばファンクラブ?私が言うのも変だけどさ」


俺の気持ちを知るはずもないあなたは話し続けた。


黒尾
「なるほど〜 良い方法じゃん、それ」

あなた
「皆にとって何か良い風になるからね。てっつんもそうしたら?」

黒尾
「おう、やってみる」


ま、それであなたが俺に告白してくる、みたいな事が起こる訳でもないと思うけど...


研磨
「さっさとクロがあなたに言えば良いのはに...」


あなたと別れて、研磨が口を開いた。


研磨
「そうすれば女子からの無駄がなくなる」

黒尾
「そうだけど...」


そんな事、昔から考えている。でも...


黒尾
「タイミング、てあるだろ。あなたはまだ中学生だからまだ早い気がする...」

研磨
「じゃあ、いつするの?」

黒尾
「...あなたが来年、高校生になったら」

研磨
「そう... そんな時が良いかもね」

黒尾
「あ"〜 あなたに早く音駒に来て欲しいわ〜」

研磨
「来るでしょ。幼稚園の時からずっと一緒だから」


だよな。俺達ずっと一緒だから...
早く気持ちを伝えたい...!

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