第14話

お誘い
427
2020/10/18 08:25
黒尾
「なぁ、来週の金曜日は部活オフだろ?学校の後に出かけないか?」


宮城から帰って来た数日後、あなたに訊いてみた。いわゆる放課後デート。
ずっと言わないでいるのはじれったいし、この前あなたが烏野の2番クンと、絵を見せながら楽しそうに話していたのが何か気に入らなかった。まぁ、アイツは良いヤツなんだよ... 明るくて皆に対して優しくて...
だからそろそろ告白した方が良いと思った。


あなた
「良いよ。他にも誰か来る?」

黒尾
「いや、俺達2人だけ」


気付いていないか...


あなた
「お、良いね〜 それ!高校生らしくて」


あれ、やっぱり分かっている?あ... いや、でも彼女が言っている"高校生らしい"は放課後のお出かけの事で、放課後デートじゃないだろ...


あなた
「久しぶりにてっつんとお出かけだー!」

黒尾
「しかも2人きりな」


少し強調して言った。普段は研磨も一緒だから、今回は違うんだぞ、と分からせたかった。


あなた
「うん、そうだね。何かもう楽しみだな」

黒尾
「俺も。じゃあ、その日は迎えに行くから教室で待っていろよ」

あなた
「ありがとう ^^」


まだ付き合っていないけどあなたとデートか... ドキドキするなぁ...





黒尾
「...という訳で、邪魔とか尾行するなよ?」


部室で着替えている時に皆に忠告した。せっかくの時間を台無しにされたら堪らないからな...!


リエーフ
「えー 何でですか?見てみたいじゃないですかー」

夜久
「アホか、お前は!デートは2人きりのままが良いんだよ。気付いたら雰囲気が壊れるかもしれないんだから、避けるべきだろ」


「俺と夜久がリエーフを止めるよ、邪魔しそうになったら」


同じ3年生は気が利くな... 感動。


黒尾
「ああ、頼もしいよ」

研磨
「クロとあなただから楽しめるよ。それから告白も大丈夫だよ」

黒尾
「"大丈夫"って...」

研磨
「あまり言わないでおくよ。でないとクロ、余計な心配で頭がいっぱいになるかもしれないから」

黒尾
「おいおい、研磨クン。そう言われるとマジで分からなくなりますぅー」

研磨
「あなたとデートしている時を楽しめば良いんだよ、て事」

黒尾
「...!まぁ、そうだな。研磨もありがとな」

研磨
「別に...」





研磨
「あなたもクロが好きだから、て言うものじゃないでしょ...」

プリ小説オーディオドラマ