第4話

違う姿
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2020/09/27 17:04
あなたside


最終的に、変わらなく美術部に入った。
今週の課題は「学校での発見を描く」だから、私は敷地内を歩き回っていた。でも目に止まってなおかつ絵にしたい物は中々無くて、気付けば体育館の近くまで来ていた。

パシュン!パシュン!
キュッキュッ

ボールが打たれたりシューズが床を擦ったりする音が聞こえた。
バレー部かな?てっつんと研磨、いるかな?
興味が湧いて窓から覗いてみたら、その光景に驚いた。
カッコいい...
チームとしてちゃんと練習しているてっつんの姿を見るのは初めてだった。
カッコいい...





黒尾side


視線を感じたから目立たない様に見回したらあなたを見つけた。
やっぱりマネージャーに興味があるか〜?ていうか俺を見ているよな?イェ〜イ!
ちょうど休憩中だからドアを開けてあなたに声をかけた。


黒尾
「おーい、あなた」

あなた
「うわっ!って、てっつんか... ビックリさせないでよ!」


急だったからそうか... でも可愛い〜


黒尾
「悪ぃ。お前、何してんだ?」

あなた
「美術部の課題で歩き回っていたらここまで来ちゃった」

黒尾
「へ〜 で、覗き見していた、て事は俺に惚れていたとか〜?」

あなた
「ほ、惚れる、て何さ... ただ、ちゃんとバレーしているてっつんを見るのが初めてだから...」


目を逸しながらあなたは答えた。
あ〜 確かに?研磨と一緒に3人でいつも練習していたからな。あなたは中学生になったばかりだから部活動も初めて...


黒尾
「なら実際に中に入って見学はどうだ?」

あなた
「え、良いの?」

黒尾
「キャプテンとか監督に訊いてみる。ちょっと待っておけ」


ドアは開けてままで俺はキャプテンの元に走り寄った。


黒尾
「キャプテン」

キャプテン
「お前が女子と親しく話すなんて珍しいな。何がしたい?」


男子バレー部は女子が来る事に慣れている。俺が目的で、な... でも皆にも迷惑だから毎回追い払っている。というか禁止にしている。


黒尾
「アイツ、俺の幼馴染なんですけど、見学させても良いですか?」

キャプテン
「そうだな... お前の幼馴染だし、良い子に見えるから大丈夫だろう」

黒尾
「ありがとうございます!」


嬉しかった。あなたが俺を近くから見てくれるんだ!


研磨
「分かりやすい...」

黒尾
「あなたに何も言うなよ?」

研磨
「クロが伝える事だし、俺は今までだって何も言っていないよ?」

黒尾
「なら良い」


あなたを呼んで彼女は体育館に入って、俺達は練習を再開した。
頑張るぜ...!

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