自然に涙が出てきた。
ジミンの全てが好きだった。
笑ってる顔、泣いてる顔、怒ってる顔、困ってる顔…。
全てが私の心をギュッと抱きしめていた。
けど、この顔は好きじゃない。
こんな顔して欲しくなかった…。
何やってるの?私。
涙が容赦なく私の目から溢れる。
凄く困ってると思う。
困ってる顔は好きだけど、今は違う。
ほんと、本人に嫌われたらどうしようもないじゃん…。
これしか出なかった。
これしか言えなかった。
ただ見て欲しかっただけなの。
私を頭の中に居させて欲しかっただけなの。
なんで、そんな事言えるの?
今まで嫌なこと散々してきて居たのに。
サセンと同じ事してたのに。
なんで…心配してくれるの…?
一生懸命口を動かす
涙を流しながら、とにかく喋った。
ジミンは真剣な表情で私の話を聞いてくれている。
ジミンが話し始めようとした時に終了の合図が出てしまった。
私は涙を抑えながら移動した。
あいにくジミンは最後だったからこれで誰にも涙は見られない。
立ち上がり歩いている私をジミンはどんな目で見ているだろうか…
背中が肌寒い。
本当に、ごめんなさい。
嫌わないで。
って言っても無理な話。
ジミン…大好き。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。