手紙を渡してから約1週間。
未だに電話は来ない…
今まで迷惑電話があるから電話はほとんど無視してたんだけど、あの人がかもしれないから、通知はオンにして必ずでた。
でも、あの人からは来ない。
無理もない、だって酷いことをしてしまったんだ。女の子を泣かせて、勝手に手紙渡して…
もし可能性があるならあの人に会いたい。話したい。
面倒くさそうにスマホをいじりながらテヒョナが返事する
「来てないもんは来てないんだよー」半泣きでテヒョナ助けを縋る
眉を下げて疑いの目で僕を見てくる
椅子に全身の体重を乗せて足をバタバタする
どうしたもんかと大きなため息をつくとテヒョナが軽く頭を叩いた
…いや待て。
確かにテレビやライブは大事になるかもしれない。でも、Vliveはどうだろうか。
あれなら、あの人が見てくれる可能性は低いが、勘づかれる可能性も低い。
元々今日はVlive をする予定だったから、何をするかは決まっていた。
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計画通り好評だった僕らの方言を紹介し、Vlive は終わりに近づいて行った。
テヒョナが動画をきろうとする直前に、僕は溜めていた言葉を吐き出した。
そしてVlive は終わった。
「よしよし」と僕の頭をぐしゃぐしゃに撫でてきたテヒョナ。子供扱いされてムカついたから近くにあったライオンをとった。
五分ぐらいこの繰り返しで、最終的に僕が返した。
たく。どっちがガキなんだか…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。