ジミンside
サイン会の日からあの人が頭をよぎる。
どうしてこんなにあの人が気になるのか。
もう彼女には会えないのか。
いや。ネガティブはやめよう。
きっと会える。
けど、会ったって何ができる。
まともに会話なんてできる時間はない。
……手紙。
そうだ、手紙を書こう。
とにかく会ったら渡す。
手紙に全ての想いを書きしめた。
とても長くなってしまったけれど迷惑じゃないだろうか…。
それから僕はその手紙をずっと身につけていた。どこへ行っても。
ライブ中も撮影も。勿論サイン会も。
でも彼女はいなかった。
居たとしても僕は気付かなかった。
眼鏡とマスクだからすぐ分かると思っていたけれどそうでもない。
というか、本当に眼鏡とマスクの人が居なかったんだ。
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サイン会から何ヶ月か経った。
あの手紙は今もずっと身につけている。
もう僕らのamryではなくなってしまったのかな…。
時計を見るともう12:00をまわっていた。
外はもう真っ暗。
心配してくれたのか背中をさすってきたテヒョン。
話してみようかな?
いや。変に心配させたくない。
女の子って。まぁそうだけど。
女の子じゃなにか問題でもあるの?
なんでそうなる…。
本当にテヒョナは女の子好きだよね。
ほんと困っちゃうよ。
面白い子?どんな子だ?
別に今そんなの興味ない。
まぁ。テヒョナが楽しそうで良かったけど。
性格?
さっきまでベットに寝転がっていたテヒョンが勢いよく起き上がった。
凄い楽しそうに話してる。
テヒョナ本当に話すと止まらないよね。
どんな時も楽しそうに話すからこっちまで楽しくなっちゃうよ。
え…?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。