第6話

手紙
215
2018/08/29 04:13
you side



あれから何ヶ月部屋にこもってたかな。
ポスターだらけだった部屋がこんなにも清潔な部屋に変わった。
ジミンを見ると胸が痛む。
母に外へ出ろと言われ今から渋々外出。
行くところなんてないのに。
私は馴染みのある公園へ行った。
遊具なんて何もない広い公園。
ここは私の心が休まる場所。
だったのに。
公園の真ん中あたりに凄い人だかり。
悲鳴も聞こえてくる。
よくよく見たら防弾少年団達だった。
撮影をしている。
こんなにうるさくて撮影なんか出来るのだろうか。
ジミン…。
口から出た一言。
やっぱりジミンが好き。
どうしようもないほど。
私は中央から少し離れた橋の上でそれを眺めていた。
橋は誰もいない。皆中央にあつまってるから。
私にはそこへ行く勇気がなかった。
毎日家でもしている私の眼鏡とマスク。
今日はなんだかしてる意味がなかった。
ジミンとのサイン会も全部眼鏡とマスクだった。
小学校からの私の必需品。
今日外で初めてそれらを取った。
橋の下は川だったからそこへ投げた。
もう。こんなのいらない。
川は中央の横を流れていて。眼鏡とマスクも中央の方へどんどん進んで行った。



まさか気付いてくれたり…。




けど、彼らは1人も気付かなかった。
そりゃそうだ。
何を期待してるんだか。




私の目は彼らではなくいつのまにか空を見ていた。
綺麗な透き通った空。





撮影が終わったのかどんどんこっちに歩いてくる。
周りの女の人達も必死についてくる。




とうとう私の後ろまで来た。
悲鳴が耳を痛めた。




いつのまにか私は涙を流していた。
トントン
ジミン
すみません。
私は静かに振り向いた。
そこにいたのはまさかのジミン
え…?
ジミン
あ、あの。とにかくこれを。
差し出されたのは手紙
ジミン
後で開けて見て下さい。
あ…はい。
かれは笑顔を私に向けて歩いて行った。
この手紙…。
とにかく、帰ろう。










家に帰りベットに飛び込んだ。


開けるのが怖い。














私だと気付いていたの?






ねぇ。ジミン。
















その手紙…私は喜んでもいいの?

プリ小説オーディオドラマ