永瀬 side
なんなん 、この人 。
俺の腕を掴んだまま道路を突っ走る 。
これでも一応アイドルなんやし変装せんと …
って思ったけどもう時間帯は夜でこの辺は
ほぼ人影がなかったから大丈夫そうやった 。
そして連れて来させられたのは …
バッティングセンター??なんで野球やねん 。
『 なあ 。なんでここやねん 、』
橘「 黙ってついてきて 」
岩橋「 うわあ〜ひさびさに腕がなる〜 」
神宮寺「 玄樹 、今はやめて 笑 」
岸「 初めてきた … 」
髙橋「 かっこいい … 」
平野「 でっか … 」
少しここは人が多く 、でもほぼ男性ばっか
やからチラチラ見られるだけやった 。
そして奥へ奥へと進んでいくと2人の影が見えた 。
橘「 しっ!しゃがんで!(小声) 」
『 … ??』
" カッキ-ン "
「 きゃ〜!翠川さんナイッス〜!!」
「 ははっ 、南那ちゃんに応援
されたらもっと頑張れちゃうな〜 」
「 頑張れ翠川さーん!♡ 」
いや今時バッティングセンターで
イチャイチャする奴おるんか … とか思って
チラッと草陰から覗き込んだ 。
いや 、多分 、南那に反応したんや 。
… だって 、本物の大和田南那やもん 。
少し離れたところに南那と変なおじさんがおった 。
『 っ … 』
橘「 … これで分かった?(小声) 」
『 … (頷く) 』
岩橋「 … あなたちゃん 、(小声) 」
橘「 … 私は大丈夫 。行ってくる (小声) 」
あなたちゃんは草陰から出て
2人の方に向かってった 。
その背中はまるで 、見てろよ永瀬
とでも語っているような背中だった 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!