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第4話

《 1 月 12 日 》
134
2019/04/02 10:01
悠虎を玄関まで見送って数分が経ち、次は私が家を後にしなければならない。
スマホを触っていた指を止め、用意に手を向けた。
白野 羽音 (シラノ ハオ)
白野 羽音 (シラノ ハオ)
あっ、赤ペン切れてるんだった…
前回の授業でインクが切れてしまった赤ペンを見て、しまった、とわかりやすいであろう表情を浮かべた。
白野 羽音 (シラノ ハオ)
白野 羽音 (シラノ ハオ)
たしか予備が…
自分の部屋のデスクの引き出しを開けると、予備の赤ペンがひょっこりと顔を出しているようだった。

良かった、と安堵し、直ぐにペンケースに入れた、
そして鞄を持ち、家を出た。
冬の朝は当然のごとく寒い。
冷たい風が吹き、容赦なく皮膚に当たる。
それが嫌でマフラーに顔をうずくめ、駅まで歩いた。
白野 羽音 (シラノ ハオ)
白野 羽音 (シラノ ハオ)
(とりあえず電車乗っちゃおう…)
と、電車に座った直後、通路を通りかかった男性がパスケースを落とした。
私はそれをとっさに拾い、落とし主であろう男性に声をかけた。
白野 羽音 (シラノ ハオ)
白野 羽音 (シラノ ハオ)
あ、あの!このパスケース…
柚橋 嶺玖 (ユズハシ レク)
柚橋 嶺玖 (ユズハシ レク)
あっ、これ俺のです
私が渡したパスケースを受け取った男性はどこか見覚えのある制服を来ていて、身長が高く、そして…髪色が金色だった。
柚橋 嶺玖 (ユズハシ レク)
柚橋 嶺玖 (ユズハシ レク)
どこで拾って下さったんですか?
白野 羽音 (シラノ ハオ)
白野 羽音 (シラノ ハオ)
今落としたから、ここで…
柚橋 嶺玖 (ユズハシ レク)
柚橋 嶺玖 (ユズハシ レク)
これが無いと困ってるところでした…。
ありがとうございます!
白野 羽音 (シラノ ハオ)
白野 羽音 (シラノ ハオ)
あ、いえいえ、そんな…!
柚橋 嶺玖 (ユズハシ レク)
柚橋 嶺玖 (ユズハシ レク)
じゃあ俺はここで
そう言うと男子高校生は座る場所を探すようにして歩いていった。
白野 羽音 (シラノ ハオ)
白野 羽音 (シラノ ハオ)
(髪色は金だったけど…凄くいい子だった…。)
そして、気がかりなのが見覚えのある制服…。
白野 羽音 (シラノ ハオ)
白野 羽音 (シラノ ハオ)
(あっ!!)
と気づいた。

私の母校である『藍音坂高校』の制服だ…。
確かに、藍音坂高校に勤務する悠虎もこの電車に乗っている。

藍音坂の生徒だと確信した。
白野 羽音 (シラノ ハオ)
白野 羽音 (シラノ ハオ)
(金髪少年とか今いるのか…。私が卒業してから来たのかなぁ…。)
今度悠虎に聞いてみよう、と、思っていたら、ゆっくりと電車が動き出した。
所々雪が薄く積もっている。
外に出るには寒すぎるけど、この景色も悪くない。そう思った。

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