…絶対そんな風に見つめない。ミカサのこと。
なんで私じゃないんだろう。
なんでジャンはミカサのことばかり見つめてるんだろう。
私も、あんな風に可愛かったら良かったのに。
そしたら、ジャンに切なそうな瞳で見つめられてもらえたかもしれないのに。
いっそ、私が「ミカサ」になれたらいいのに。
ミカサが「あなた」になっちゃえばいいのに。
…なんでこんなこと考えてんだろ。
今日の私、おかしいな。
ひゅーん。
今まで上へ上と昇っていた、遠くの飛行機が、
今度はなんでか、下へ下へと落ち出した。
え?
世界がぐるりと廻って、視界が変わった。
なんだろう、分んないんだけど、
さっきまでの自分とは明らかに違う。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。