第5話

入学式
468
2018/11/21 11:35
高校には行くことにした。
でないともう二度と外に出られないような、そんな気がした。



〜入学式〜

後ろの席の子が話しかけてきた。
紗也
紗也
初めまして! 武田紗也タケダサヤです。よろしくね。
こころ
こころ
…竹島こころです。 よろしく。

彼女はイヤホンをしていた。 明るそうなのに、どこか私と同じような孤独さがあった。


私の視線に気づいたのか、
紗也
紗也
音楽聴くのが好きなんだ。
((能力の事は絶対に言わない))
こころ
こころ
…能力? 


((…どうして?))

彼女の目が怯えたように揺れた。





ごまかせる気がしなくて、私は彼女から目を逸らした。

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