第3話

chapter3
20
2021/04/09 06:21
目黒宏香
目黒宏香
よろしくお願いします。
乾 新太
乾 新太
ん、
いつもと変わらず、指練習の曲を弾き始める。
目黒宏香
目黒宏香
あっ。
薄々気づいてはいたけどやっぱりダメだ。
さっきの練習のせいで全く指が動かない。
乾 新太
乾 新太
宏香、今日何時間やった?
目黒宏香
目黒宏香
6時間と30分ぐらい…。
乾 新太
乾 新太
それはそうなるに決まってる。
今日はもう帰った方がいい。
目黒宏香
目黒宏香
えっ、でもピアノ練習しなきゃ。
乾先生は少しため息をつくと私の横に座った。
乾 新太
乾 新太
宏香、ピアノ好きか?
目黒宏香
目黒宏香
えっ?
急にそんな意味深なこと言われても答えられるわけがない。
乾 新太
乾 新太
どうなんだ?
目黒宏香
目黒宏香
…、好きなわけない。
乾 新太
乾 新太
目黒宏香
目黒宏香
好きなわけないじゃん。
お母さん、ピアノの時だけ怖くなって叩かれて。
楽しめるわけない。
間違えないか必死なんだから。
乾 新太
乾 新太
やっぱり、お母さんか。
目黒宏香
目黒宏香
あっ…!
乾 新太
乾 新太
少し前から気づいてはいたがまさかそこまでとはな。
お母さんが音大出身の事、ピアノをスパルタで教えている事は絶対乾先生には言ってはいけない約束だったのだ。
目黒宏香
目黒宏香
母には言わないでくださいよ。
バレたらどうなるか…。
乾 新太
乾 新太
わかってる。
9時の鐘がなった。
2人の沈黙の間に。
乾 新太
乾 新太
レッスンの時間は終わったな。
また明後日。
目黒宏香
目黒宏香
あっ、さようなら。










なんで、こんな事してるんだろう。

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