『誕生日の日は、ロマンチックに過ごしたいんですよね。』
まだ付き合う前に言っていたことを思い出した。
どうせなら、この前のドッキリの仕返しも兼ねて行おうとやる気満々。
誕生日の前日。
あなたの誕生日を忘れている振りをした。
あからさまに落ち込んだ顔して、
でもすぐ笑顔に戻った。
と、いつものようにほっぺウリウリ。
スンウさん、
あなたのこと溺愛してるので本当に今すぐ終わりたい様子。
でもあなたの喜ぶ顔を見るために頑張ります。
朝早く起きて、色々準備します。
あなたが起きないうちに家から出て、
そこら辺を、ぶらぶらして夜まで時間稼ぎ。
ーーーーーーあなたsideーーーーーー
ひどい、ひどすぎるこんなの。
今日、誕生日だって言うのに、
仕事入れて、朝も会えないまま出てくなんて。
テーブルに上がった1枚の紙を見つめながら
どうにもならない怒りを心の中で繰り返していた。
『行ってくる。残業までありそう。』
なんて。夜までかえってこないってことじゃんか。
テレビ見ても、読書しても、スマホいじっても
いつもより寂しく感じるのは、誕生日のせいなのだろうか
誕生日という特別な日に1人だからだろうか。
時間もいつもより遅く感じて、寝ることにした。
けど、寝付けない。
ベッドが広い気がして、落ち着かない。
もう、何をしてもダメ!
そんなことを思っていると、ピコンとスマホが鳴った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。