第21話

出会い - 莉久編 -
44
2018/05/31 10:48
私が熱中症で倒れた日。

成瀬くん…圭くんは、わざわざ私をおぶってスタート地点まで行ってくれた。

その時の出来事だ。

「大丈夫?」

「うん、ごめんね。重いでしょ…」

軽くえへへと笑う。

「全然、楽勝だよ。
後、名前さ莉久ちゃんって言ってごめんね。」

「どうして?」

私が聞くと、少し悲しそうに笑いいった。

「昔ね、りくちゃんっていう女の子がいたんだ。」

「昔?って、引越しの時?」

「あー、実はねここに来る前にもう一度引越しをしたんだ。」

「そうなんだ。」

「一番最初は幼稚園で…。
幼稚園から小学校にかけてね、仲の良かった女の子がいたんだ。」

「そうなんだ…。」

「あ、ごめんね。
知らない話しちゃって…!」

と走りながらいう。

「ううん。いいよ、」

すると、小雨が降ってきた。

「雨だ…」

「もう着くよ。」

「うん」

そして、無事にテントに着き先生が私に付き添ってくれた。

「じゃあ、僕行くね。」

「うん、いってらしゃい。
あと、ありがとう…」

「うん!じゃあ!また後でね」

そう言って圭くんは、走っ行った。

そして、見えなくなった。

「圭くん…覚えてたんだ。」

少しだけ、嬉しかった…。


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莉久の話はまだまだ先。

ふたりは知り合い…?

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