「何よ…」
「七海、やり過ぎよ」
「何のことよ?」
「凛の事だよ!どうして、そんなことまでするの?」
(何よ、また…)
「あんたらには関係ないし」
「な…ッ」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「大丈夫?」
「奈々。うん!もう、元気!」
「良かったよ~」
ふにゃふにゃ肩を落とす莉久。
昨日は、色々あったけど…
このとおり、私は元気なのです!
でも、私のクラスではまた何かが始まりそうです…。
「凛、大丈夫?」
奈々達と話していると光が来た。
「光、昨日はありがと!おかげで元気だよ」
「そうか。なら良かったよ」
「うん!」
ピースサインを送った。
そしたら、向こうもピースサイン!
これが私と光のやり方。
昔と、変わらない…
そう、変わらないよ…ね?
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
やっぱ、調子狂う…
なんでか分かんないんだ。
でも、凛を見ると何だか胸がドクドクするんだ。
「光?」
凛を見つめ、ぼうっとしていると瑠夏の言葉にハッとした。
「な、なんだ?」
「昨日は大変だったんだってね?
伊野もだけど光も大丈夫?」
「…は」
なんで、知ってんだ?
「なんで、大変だったって知ってんだよ」
不思議で聞くと、瑠夏はキョトンとして言った。
「え?あ、光は知らないんだったね。」
「何をだ?」
「昨日、中川さん達のグループが騒いでたんだよ。伊野と光の事で。
まあ、騒いでると言うより揉めてた」
「…それって、あ…だからか」
「うん、グループって言うのも大変なんだよな。」
そう。
揉めた理由はただ、ひとつ。
凛に屋上でした事。
きっとそれに違いない。
(確かに、昨日のはやり過ぎだ。)
だからか、朝からひとりでいる中川。
中川と仲良くしていたグループも中川を避けるようにしている。
(また、空気が悪い…。)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「そ、そんな事があったの…?」
「うん、中川さん達も大変だよね。」
だから、朝からあんななんだ。
(中川さんも、ほんとは辛いのに)
「でも、中川さん。昨日のは確かに、やり過ぎたとは思うよ。
でも、他の子達だって凛ちゃんの事無視してたじゃない。そんなの、おかしい。
他の子だって同じようなものだよ。」
と泣き目でいう莉久。
「莉久の言う通りだよ!
こんなのおかしい…!」
と奈々があとに続いて言う。
そして、私も。
これはやりすぎ。
「そうだよ」
「周りが話しかけないなら、私達が行くよ。」
と奈々。
「う、うん!」
と莉久。
すると、中川さんがガタッと立ち言った。
「文句あるんなら、直接言いなさいよ」
と叫んで私たちの横を通り過ぎた。
横を通る時に、私は見えたんだ。
涙を流す…中川さんが…
簡単な感想を待ってます😭
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。