文化祭が終わり、次の日は休みだった。
私はどんよりしながら学校へと向かった。
あんな事…。
考えながらいつの間にか教室の前。
私は思った。
奈々や莉久に心配をかけたくはない。
だから、今は黙って…いつか言おう。
そう思った。
「おはよ!」
すると教室がしんと静まった。
(…え?)
「大沢の彼女だ!」
「キスした~!」
「…あ!」
そうだった。
私はすっかりその事を忘れたいた…。
どうしよう…
そしたら、奈々と莉久が来た。
「凛、おはよ!こんなの無視だよ!ね!」
「凛ちゃん、おはよう。うん。奈々ちゃんの言う通りだよ!!」
「ふ、二人とも…!」
席に着くとなるが来た。
「凛ちゃん、おはよう。大丈夫?」
心配していたみたいだ。
「ありがとうね。なる、大丈夫!」
「そっか、なら良かったよ!」
私はピースサインを送った。
そして、光は何も無かったかのように金木と話していた。
奈々がゆっくり言った。
「凛、瑠夏に聞いたんだけどね。」
「ん?」
「大沢、あんまり気にしてないよ…。
だからね、周りに勝手に言わせとけばいいんだよ。」
「奈々…」
「ありがと…」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「大丈夫か?」
「瑠夏、何が?」
「伊野さんの事だよ。」
「ああ、凛…か。」
「実はね、俺の親伊野さんの親と仲が良くてね。大変なこと聞いたんだ…」
瑠夏が真顔になった。
凛に何かあったのか?
そう思って聞こうと口を開こうとしたら、瑠夏が言った。
「伊野さん、来年の春からアメリカだ。」
「……は?ア、アメリカ?」
「うん、親の転勤で決まったんだって…」
「な…んで。」
俺は、何も言えなかった。
あいつがアメリカ?
最初は嘘だと思ってた。
だって、学校では元気だからだ。
もしかして、誰にも話してないのか?
成瀬の知らないのか…?
お前は、そのままでいいのかよ。
怒りしかなかった。
────
凛がアメリカ…?
そしてそれを知った光は…
そして、なると凛に…!?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。