第26話

運命のクリスマス
37
2018/06/16 00:46
今日は、クリスマス。

でも、朝から風が強かった。

「クリスマスなのに、雪が降りそうにないね。」

と奈々。

「うん。ホワイトクリスマスになるの信じてたんだけどなぁ。」

せっかくの、クリスマスなのになぁ〜。

すると莉久が言った。

「今日は、楽しみだねえ〜。」

そう。
今日の放課後は、光・金木くん・なる・奈々・莉久と私の6人でパーティをするのだ。

最初は、女子の3人のはずだったんだけど…

奈々が、金木くんもと。
そこから、広まってしまい…、光やなるもくる事になってしまったのだ。

「まさか成瀬くんまで来るなんてねぇ〜。にぎやかになりそうだねえ。」

「ホントホント。意外な組み合わせだよねー!」

と、口々に言う。

(ホント…。何か起こりそう…)

そして、向こうでも…

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「今日は年に一度のクリスマス〜…って言いたいところだけど、風強すぎじゃない…!?」

と瑠夏。


「まあ…確かに。…さみっ」

それにしても、まさか凛とクリスマスを過ごすなんて…(まあ、他もいるけど)。

でも…、これが最後なんだよな。
最後に凛と思い出ができていいのかもしれないな。

人数も結構いるし、楽しむか!!

とポジティブに考えた。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「おっじゃましまーす!」

「おじゃまします」

先に来たのは、私となる。

莉久の家に集まるから、なるは家を知らない。
だから、私と一緒に来たの。

「いらっしゃい。
まだ、誰も来てないから一番だよ~」

「おおー!相変わらず、大きな家だなぁ」

「それ何回言うのよ~」

と莉久が笑う。

「り、莉久ちゃんってお金持ちなの?」

なるが少し驚きながら言う。

「違う違う。
ここは、元は叔母の家だったの。
それを、私達が引き取って…」

「そうなんだ」

「うん」

と微笑んだ。

すると、光と瑠夏と奈々もきた。

「おっ待たせ~」

「でっけ~」

「すごーい!」

など、来て早々言う。

(みんな、同じこと言ってる)

そして、リビングへ行くとチキンやサンドイッチなどたくさん。

「う、美味そう!!」

と光。

「食い気ですか…、せめて綺麗じゃないの」

「まあ、確かに。クリスマスカラーで揃ってる!凛も、美味そうって思っただろ?」

「…ぐっ!そ、それはそうだけど~」

目を泳がしながら言った。

「ほんと、綺麗だし美味しそう。
誰が作ったの?」

「お母さんだよ。
こうゆうイベントには懲りてて。」

「そうなんだ、いいね。
そうゆうの」

「えへへ。でも、たまに困ることもあるけど」

「困ること?」

「そうそう。3人しかいないのに十人分の唐揚げ作ったり!
もう大変で大変で」

「あっはは!ほんとに?なかなかやるね」

「でしょう?」

と莉久となるは仲良く話していた。

(そういえば、宿泊から仲良くなったなあの二人)

「いらっしゃ~い!寒かったでしょう?
家の中は暖かいから、コートとか脱いでゆっくりしてね~」

と莉久のお母さんが出てきた。

「相変わらず、美人…!」

私が言うとなるが

「え!莉久ちゃんのお母さんなの?若いね。」

それを言うと莉久ママが、それを聞いて言う。

「あらーん。若いだなんて〜!
今日は楽しんでね〜」

頰に手を当てながら言った。

莉久は、恥ずかしそうに

「もおお!や、やめてよ〜!
今日は、私たちだけなんだから。お父さんとこのあとデート何でしょう?

準備しなくていいの?」

と莉久が言うと莉久ママがはっとして

「そうだったわ。急がなくっちゃ!
それじゃあ、楽しんでね~」

と言いながら2階へと上がっていった。

「元気なお母さんだね!」

笑顔で言うと、莉久は

「元気すぎて困っちゃうよ…」

とため息をつきながら言ったのだった。


そしてリビングにある、椅子にみんなが座りディナーの時間だ。

テレビでは、クリスマスという事で歌番組が流れている。

歌手だけでなく、モノマネ歌手なども出演していて

「ぎゃっはは!うまぁ!」

「やっばい、モノマネを超えてる!」

などワイワイしながら楽しい時間を過ごしたのだ。

そして、学校のことなども話して時計はもう8時に回ろうとしている。

「時間って早いね~」

「ほんとー」

「それでは、恒例の…」

「そうですね…!」

莉久と奈々はテレビの下の棚からゲーム機を出した。

「ゲームタイム!負けたら、ジュース買ってくるの!」

「げええぇ!まぢかよ~、人数結構いんじゃんかよ~」

と光。

「面白そうだね~」
とニヤニヤしながら言う金木くん。

なるも、笑っている。

(この楽しい時間はあと、どのくらい続くんだろう…)

「げ、ゲームする前に、外で涼ってくるよ!」

私は泣きそうになったからみんなにそう言い捨て、外へ飛び出した。

「危ない危ない…こんなの見られたら恥ずかしくて死にそうだよ」

と目をゴシゴシ擦っていると

「なーにが、死にそうだよ」

後ろから声がした。

「な…ひ、光!?」

「なんで泣いてんの?」

「べ、別に泣いてないよ!」

と下を向きながら言うと、光が静かに言った。

「凛、お前さ、引っ越すんだってな…
海外に」

私ははっとした。

気づいた時には、光を拳でポカポカ叩いていた。

そして、泣いていた。

「なんで…なんでよおぉ…」

私は泣き崩れた。

しゃがんでわんわん泣いていると光が同じ目線になってゆっくり言った。

「急にごめん…。でも、凛から聞きたかったな」

「…誰から聞いたの」

「瑠夏の母さん。
ほら、凛の母さんとも仲良いだろ?
それでだよ」

「そっか…親を通じて…。
…そっか…。光も知ってたなんて」

「ん…」

光が手を差し伸べた。

「え?」

「とにかく、目の腫れが無くなるまで戻れないだろ?行くぞ」

「あ…ありがとう」

私は素直に手を取り、近くにあったコンビニに入った。

コンビニの端にある、フードコートに座り落ち着く。

「なんか、ごめんね」

「別に、いいよ」

今日の光は何だか優しいな…

トクン

こんな気持ち久しぶり…

でも、この気持ちももう感じることが出来なくなる…

そう思うとまた、涙が出てきた。

うつむいていると光が私の頭を自分の胸に押し付けた。

「泣いていいから。」

それだけ言った。

甘えていいかな…

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「ま、負けた…」

「成瀬くん、全敗!?」

「なるくん、ゲームダメなんだね~」

と早見さんが笑いながら言う。

「ほんと、以外だねぇ」

と莉久ちゃんも言う。

「じゃあ!そこのコンビニでジュース3本ね!」

「分かったよ。買ってくる」

バッグから財布を取り出し、外に出た。

冬風が吹いていて寒かった。

(そういえば、凛ちゃんと大沢くんはどこだろう…?)

そう思いながら、点々とある街灯を見ながらコンビニへ向かった。

コンビニで、ソーダと紅茶とレモンティーの3つを買い、外に出ようとした時だった。

フードコートに、凛ちゃんと大沢くんがいた。

大沢くんが凛ちゃんの頭を胸で抱きしめていた。

凛ちゃんは泣いていた…


でも…僕は行かなかった。

あのふたりなら…ふたりならいいだろう。


僕は、そのまま莉久ちゃんの家に戻った…


──────

その後、凛と光は?

瑠夏と奈々も、急接近!

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