第19話

ホントのキモチ
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2018/05/29 10:51
「んで…話ってなんだよ?」

大沢くんが言う。

「うん、その前に…ありがとう」

「え?」

僕の言葉が以外だったのか目丸くしている。

「凛ちゃんについてってくれたでしょ?もし、二人が一緒じゃなかったら、大変なことになってたと思うよ。」

「ああ、たしかに。凛は方向音痴だしな~」

と微笑んでいう。

「その顔だよ。」

「は?」

「大沢くんは凛ちゃんが好きなんだろう…?」

「……」

大沢くんが黙った。

「ちゃんと答えてよ。」

僕が責めるように言うと、大沢くんが口を開いた。

「俺は…」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

キャンプファイヤーが始まった。

でも、なると光だけいなかった。

なんでだろう?

まあ、何かあるのだろう!

と呑気(のんき)に考えるわたし。

莉久と二人でキャンプファイヤーを眺めていた。

キャンプファイヤーの周りで踊るのはカップルだけ。

もちろん、奈々と金木くんも踊ってる。

「奈々ちゃん、顔が真っ赤っか~!」

「わ!ほんとだ!金木くんも恥ずかしそうにしてるよ~」

と莉久とニヤニヤしていた。

他にも、たくさんのカップルが踊っていた。

でも…

光は苗ちゃんと踊らないの…?

と、考えていると横から声が聞こえた。

「苗ちゃん、可哀想だよね」

「確かに。「先約がある」って言われたんでしょ?先約って、誰かと約束してたのかな?」

「わかんない。でも、大沢くんが浮気なんて想像出来ないけどね」

「まあね」

と話し声が聞こえた。

莉久も聞いていたらしくわたしの耳元で言った。

「大沢くん、どうかしたのかな?」

「確かに…。でも、キャンプファイヤーが始まってからずっといないしね。」

「うん…」

莉久は曖昧に答える。

そして、なるがいた。

「あ、なる!」

「凛ちゃんに莉久ちゃん」

「どこ行ってたの?」

「ん~、色々?」

「へぇ?よくわかんないけど…」

わたしはなるの顔を見て何となく、聞くのをやめた。

なんだか、気分が悪そうだったから。

「僕、疲れたから先に戻ってるよ。」

「え、分かった…おやすみ」

「うん。」

そしてなるは、行ってしまった。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「……ッ」

僕は、大沢くんの答えに驚いた。

『ちゃんと答えてよ。』

『俺は…、凛の事はそんなふうに思ってるのかもしれない…』

『やっぱり…じゃあ…』

『でも!俺は、それ以上に苗が大事なんだ…きっと。』

『そ、そんなの…』

『分かってる。こんな、わがままな事ダメだって…ちゃんと、苗と話すよ。
苗はほんとに俺のことを好きでいてくれた…

でも、だからこそ。
話すべきなんだ…』

『大沢くん…』

『成瀬、ありがとな…
お前のおかけで気づけたんだぜ?

感謝しかねーよ』

と言って、ニカッと笑った。

(キミはどれだけ、凄いんだよ…)

僕は、大沢くんにかなわない!!

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