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第35話

オマケ② リクエストには応えたい
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2021/11/26 14:11




「さー、何しゃべったか、とりあえず聞かせてもらおっか」




お風呂入って歯も磨いて、パジャマに着替えた。
時計はもう零時。
俺たちはベッドに入って電気も消して、すっかり寝る体制。


帰る時も夕飯の時も、普通に楽しく過ごしてたから。

聞いて来ないな、忘れたのかな?
なら、こっちから話を振って寝た子を起こす必要はないよな、って思ってた。

のに。

もう寝ようねってオレンジの常夜灯だけにして、オヤスミのキスを交わすこのタイミングでかぁ。


逃げられないじゃん。

仕方ないから俺は覚悟を決める。


「……仲良しんとこ泊まった時」


彼は無言で、俺の次の言葉を待ってる。
うぅわ、こわ。

分身むりやり勃たせられてまたがられたなんて、ほんとの事はとても言えない。
いくらセクシーな、彼の息混じりの声聞かせられたからって、刺激されて勃っちゃったのは事実なんだし。
そこは絶対言いたくない。


「あいつがふざけて、俺の上に乗って、動いてみせるから、つい……」


「つい?」


「そこは上下に動くんじゃなくて、前後に動くんだよ、彼はそうしてるよって」


「っマエなぁ」


彼のあきれた声。


「オレさ、夜の話禁止っつったよな?」


「ごめんなさいっ」


俺は彼をぎゅっとする。
離れないで、俺の血潮。
そしたら彼も、抵抗せず、ぎゅってくっついてきた。


「仕方ねーなー。
どうせ相方から、うまくいかない相談でもされたんだろ?
でもそこはさ、人によるんだしさ。
オマエもなんでそういう事しゃべっちゃうかな」


「だって……。
俺…あなたが俺の上で腰をグラインドさせる姿、すっごくきれいだって思ってるし……すっごく、その、興奮しちゃうんだよ。
そんで前後に動いてくれると、あなたの中で分身が擦られて、それもすっごく気持ち快いから……」


常夜灯だけが灯る暗闇の中で、彼が俺を見つめて、目を細めたのがわかった。


「そう、なの?」


「うん……だから……つい。
ごめんね?」


「ほんと可愛いヤツ」


ぎゅっと抱きしめられる。
思いがけない反応に驚いてると、彼の頭が俺の肩と首元ですりすり動く。
その可愛い動きにきゅんとする。


「そんな風に言われたら、オレ、怒れないじゃん。
オレは、オマエが気持ち快いように動いてるつもりだから。
快くて良かった」


「あれ、俺のための動きだったの?」


「オマエと、自分のためな」


そおだったんだ、知らなかった。


「あれは騎乗位っつって、もともと馬に乗るように動く体位なんだよ。
上下に跳ねるような動きも確かにするんだけど……てか、オレらにとって快けりゃどうでもいいよな?」


「うん。
俺は、相手があなただってだけで、何しても気持ちいいもん」


「他のヤツだと?」


「怖いからムリ」


彼がプハって笑う。


「ウッソだぁ」


ウソでいい。
そこムキになって否定すると、彼だけに反応してるって根拠をしゃべらなきゃならなくなる。

笑いながら俺の隣で安らぐ彼の頭を撫でながら、俺も安らいでた。

彼といると、ほんとに、なんでこんなに安心するんだろ。
安心して、どきどきしたり熱くなったりできる。
たとえ怒られても、ダメなとこを見せて呆れられても、彼ならきっと最後は笑ってくれるから。

だからこそ、絶対、ちょっとでも苦しめたり悲しませたりしたくない。

仲良しとのケンカについて、詳細しゃべらなくてすんでほっとする。
なんでもありのまま言えば良いなんて、子供っぽいことは考えない。


「……オマエってほんと優しいよな」


「そう?
あなたがそう思うなら良かった」


「でも最近、リミッター壊れがちだけどな(笑)」


!!!


「暴走キラキラ(笑)」


「それはほんとごめんっ。
最近、自分でもちょっとおかしいって思ってるんだ。
明らかに、前よりずっとガマンが効かなくなってるよね?」


「んん?
素が出てんだろ?
いい事じゃん。
オレ、ぜんぜん責めてないよ?」


彼が俺のあごにキスしてくる。


「オレはそんなオマエも大好きだもん」


がじがじ。
ちゅちゅ。


「いつも冷静なオマエがさ、歌とオレには我を忘れてくれんの。
嬉しくてぞくぞくする」


ぺろ。
ちゅちゅ。


「すごく愛されてる気がする。
オマケに、オマエって、存在自体がすごく甘いし」


彼の手が俺を撫でてきた!


「だーめ」


俺は、まるで俺を育てようとするように俺を撫でる、彼の手を握る。


「煽んないで」


「あおってなんか……」


「明日早いんだから」


「早く休みになんないかな」


触れるだけのキスをする。


「欲求不満になっちゃう」


その言い方があんまり可愛くてつい笑う。


「お台場行って、観覧車乗って、美味しいもの食べて、買い物して。
帰ったら愛し合お?」


「先に」


「朝から?
(笑)出かけらんなくなっちゃう」


「……前の夜」


「(笑)うん。
メンバーみんなと遊ばないで済んだらね」


「もぉ。
今すぐだって欲しいのに」


「離れた方がいいの?」


「やだ。
このまま寝たい」


(笑)やば。
反応してきちゃった。
静まれ、俺。


「好きだよ……」


「キラキラ……夢に会いに来て」


「……うん」


早く会いに行かなきゃ。




……おやすみなさい。






〈続きませんよ? たぶん〉


〈ウソでした……続きました、すみません。
続きは 『You are my glad. 』へ〉





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