第22話

22
827
2022/03/10 14:27


走った。何度も何度も転けそうになったけど。


だけど、今すぐに蓮くんに会いたい。そして、伝えたい。私の気持ち…






そして、蓮くんの家に着いた。


よし。


チャイムを押そうとした時。
れ ん
れ ん
…あなた?

後ろを振り向くと蓮くんが居た。
れ ん
れ ん
お前、何しにっ

私は蓮くんの言葉なんて聞かずに気づけば体は動いていて、抱きついていた。
あ な た
あ な た
…会いたかったの、蓮くん…

すると、蓮くんは私のことを離して、こちらを見る
れ ん
れ ん
けど、お前、渡辺と付き合ってんだろ…今日、聞いた…
あ な た
あ な た
翔太くんとは…別れちゃったの…全部、私のせいで。

蓮くん、驚いてるなぁ。今、好きって言ったら困るかな。
あ な た
あ な た
好きっ…

私がボソッと呟くと蓮くんは顔を上げた。
あ な た
あ な た
私、気づいたの…。ずっと、蓮くんのことしか好きじゃなかったって…

蓮くんはまた俯く。困っちゃうよね。私にこんなこと言われても。
あ な た
あ な た
だけどね、蓮くんは私の事、なんとも思ってないでしょ?
私、片思いし続けることしか出来なくて、蓮くんとどうなりたいとか、
どうしたいとか、全くないの…。だから、今日で蓮くんのこと諦める…
れ ん
れ ん
それ、あなたの本気?ほんとにそう思ってる?

蓮くんがいつもに増して優しくつぶやく。

私は、こくりと頷き、
あ な た
あ な た
というか、ヤダよね。こんな私に好かれるなんて。
私がもっと可愛かったら良かったのになッ

気づけば、蓮くんの腕の中にいた。










ねくすと

プリ小説オーディオドラマ