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第17話

衝撃
463
2021/09/01 04:00
研究員
研究員
蝶子さんは今日も休みか……
研究員
研究員
大学の講義も欠席してるそうだし、大丈夫なんだろうか
研究員
研究員
まあ、単なる過労で、休めば治るってことならいいんですけど……

蝶子が仕事を休んで、今日で1週間。


研究員たちの間では、蝶子の体調を心配する声が強くなっていた。


ヨウも、蝶子を屋敷に置いて出てくるのは抵抗があったが、「ヨウは今できることをしなさい」と言われてしまい、追い出された。


熱もないし、食欲はあるのだが、立ち上がって歩き出すとふらついて倒れてしまう。


蝶子は過労だと言っていたが、どうも様子がおかしい。




そんな時、隣の研究チームから栄一が訪ねてきた。


用件はもちろん、蝶子のことだ。
鳳 栄一
鳳 栄一
ヨウくん、蝶子を病院に連れて行った方がいい
ヨウ
ヨウ
……そうですね
鳳 栄一
鳳 栄一
医者に診てもらって、ただの過労なら安心できるし、それ以外ならちゃんと治療をしないと
ヨウ
ヨウ
はい、ありがとうございます

ヨウは頷きながらも、不安だった。


自分の予想が外れてほしいと、強く願っていた。



***


ヨウ
ヨウ
蝶子、あとはひとりで行ける?
夢咲 蝶子
夢咲 蝶子
大丈夫。
ヨウは心配しすぎ
ヨウ
ヨウ
……うん。
また後で迎えに来るから

翌日、蝶子は半ば強制的に病院へと連れて来られた。


看護師に支えられて、精密検査を受けに奥へと進む。


昨夜、栄一が「病院に行け」と強く説得してきて、ヨウまでも「僕が連れて行く」と言って聞かなかった。
夢咲 蝶子
夢咲 蝶子
(大したことないと、いいんだけど……)

1週間も続くこの症状が、どこかおかしいことくらい、蝶子も自覚していた。


だが、重い病気かもしれないと思うと、怖かったのだ。




数時間に渡る精密検査を済ませ、蝶子はひとり、医者に呼ばれた。
医者
医者
……今から言うことを、心して聞いてください
夢咲 蝶子
夢咲 蝶子
え……

結果の病名は――長く難しくて、蝶子ですら覚えていない。


確かなのは、若い人でも稀に発症する難病であり、治療法が見つかっていないこと。


蝶子はその初期症状の段階であり、次第に衰弱し、死に至る。


余命は2年ほどだ。
夢咲 蝶子
夢咲 蝶子
……そんな

蝶子は絶望した。


この先、いくらでも自由な時間があると思っていた。


ヨウと一緒に暮らして、研究に没頭して、博士の後を立派に継いで。


それらが、あとたった2年で途絶えてしまうとは、受け入れがたかった。



***


ヨウ
ヨウ
蝶子、本当に薬を飲んでおけば大丈夫なの?
夢咲 蝶子
夢咲 蝶子
うん、やっぱり過労だって。
さっきもそう言ったでしょ

迎えに来たヨウと合流し、屋敷へと戻った。


いずれバレてしまうのに、蝶子は嘘をついた。


余命が残り少ないと知ったヨウが、どんな反応をするのかが怖くてたまらないからだ。
ヨウ
ヨウ
……嘘だ
夢咲 蝶子
夢咲 蝶子
え?
ヨウ
ヨウ
お願いだから、蝶子が隠してることを話して

蝶子は動揺して、目を泳がせた。


今のヨウは、出会った頃からは考えられないほど、勘が鋭くなっている。


蝶子の僅かな変化も、見逃さず気付いてしまうのだ。
ヨウ
ヨウ
僕なりに、蝶子の症状を調べてるから……思い当たる病気も見つけた
夢咲 蝶子
夢咲 蝶子
…………
ヨウ
ヨウ
このまま、僕にも、栄一さんにも、家族にまで言わないつもり?
夢咲 蝶子
夢咲 蝶子
だって……言われたって困るでしょ?
ヨウ
ヨウ
困らないよ。
隠された方が辛い。
僕が全部受け止めるから……
夢咲 蝶子
夢咲 蝶子
……っ。
本当は……

蝶子は、涙ながらに本当のことを話した。


ヨウの予想は当たっていたらしく、彼は頷いて蝶子を抱きしめる。
夢咲 蝶子
夢咲 蝶子
なんでっ……私がこんなことに……
ヨウ
ヨウ
うん……
夢咲 蝶子
夢咲 蝶子
死にたくない……。
生きたいよ……

子どものように、思っていることを全てぶちまけて、蝶子は泣きじゃくった。


疲れきって眠るまで、ヨウはずっと蝶子を抱きしめていた。


【第18話へ続く】