残業でまだ帰ってこない彼。
ご飯もお風呂も済ませて
今はベッドの上。
眠たくなったら寝よう。
そう決めた。
携帯を手にして
インターネットで見ていたのは
「 彼 と の 夜 の 事 情 」
そういえば、
最近忙しくてできてないよね。
そう思っていると
彼と重なる記憶を思い出した。
そんな自分が何だかもどかしくて
今日はいいかな。
そう決めつけて、
自分の指を自分の中に入れた。
クチュ、クチュ
いやらしい音が鳴り響く。
「 俺 以 外 で 感 じ た ら だ め だ よ ? 」
ふとそんな言葉を思い出してしまい
イキそうになっていたのをこらえて
指をぬいた。
ガチャ
彼が帰ってきた
迎えに行こう
玄関に向かうと
疲れた彼の顔。
普通の会話をしているけど
私の中は感じたくて感じたくて
もう、寸止めの状態。
玄関で彼の首に抱きつき
強引にキスをした。
無視してキスをした
そうだ。彼は疲れてるんだよね
唇を離すと、
銀色の糸が私たちを繋げた。
ガシッ
彼に背を向けてベッドに行こうとするが
腕を掴まれる。
スーツのジャケットを脱ぎ
私を自宅の廊下に押し倒す。
ネクタイで私の腕を縛った
すると彼は耳元で
耳から身体中がゾクゾクした。
こくりと頷くと
冷たい廊下の上。
服を着ていない
疲れた彼と
感じたい私。
さっきベッドで私が入れた時よりも
彼の指の方が太くて長い。
1度指を折っただけなのに
彼のものがズカズカと入ってくる。
彼が私のためにゆっくり動く。
どんどんスピードが速くなる
最後のラストスパート。
絶頂。
重なり合い
溢れ出す。
縛っていたネクタイをはずして
手を絡める。
その一言で彼の表情は一変。
少し微笑んで私を抱えた。
そう言って
寝室であたたかい夜を。
迎えた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!