そう言ってソファーにごろんと
寝転んだ。
彼の寝転ぶ隣に腰掛ける。
そう言いながら
彼の茶色い髪の毛をふわりと撫でた。
.
彼の表情は変わらないまま
ただそれだけ。
目を閉じている彼の頬を
少しだけつねる。
もっとつねってあげた。、
少々の怒り心頭。
意地を張って答えてみたが
ムクっと起きあがり
後ろ頭を少しかいて
私にキスをした。
彼の素っ気ないキスでは
私は満足できなかった。
仕事で疲れてるのに
申し訳ないなって気持ちと、
私を寂しくさせたのが悪いって
仕事に嫉妬する気持ちが入り混じったまま
彼は私を抱いた。
それが嬉しくて
嬉しくて
すぐ、彼を置いて眠りに落ちた。
と声が聞こえて
目が覚める。
私の最愛の目覚まし。
一気に顔がとろけてしまいそうで。
彼がにっこりして
私を抱きしめた。
今日の夕飯は
何にしようかな。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!