近所のカフェにいる。
目の前の人はコーヒー、
私は紅茶。
見とれる、彼に見とれている。
私の彼だけどね
かっこいいなぁって思ってた
なんて言えない
タッタッタッタ
定員はかけって戻って行った
レジカウンターから
私の事をずっと見ていたのに気づいた彼は
仕掛けてきた
目を閉じて
口を開けて待ってる
これはしてあげるしかないじゃん
手をつかんだまま
私の指を離さない
私の目をちらっと見て、
微笑みながら、
クリームのついた私の指を舐める
まさか、自分が指を舐められるだけで
こんなに感じてしまっているとは思わず
彼もそれに気づいたのか
先に席をたって
会計を済ませる彼のうしろ姿を
もっと近くで感じたくて
レジをしている彼に優しく
後ろから抱きついた
そう。定員さんには
聞こえてた。
にこっと笑った後に、誰かを見てた
あぁ、定員さん見てたのか
悪魔だな
帰り道、手を繋いで帰った
もっと悪魔なあなたに
いじめられたいと思ってる
なんて言えない。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。