私の手を取り弁当箱を後に走っていく後輩。
正直いってとても可愛い。
でもこんな可愛くて純粋な優しい子が私に本気になった時にはとても傷つくだろうし、早めに突き放さなければならない。
今まで出会ってきた男性で上位に入るいい子だ。下心もなく純粋に懐いてくれてる後輩、ウナクくんのために本気になるのも、させるのもいけない。
カップル。
私が何度も聞いて、何度邪魔に思った言葉だろうか。
俺のためを思ってか笑いながら手で払っていく身振りをする可愛い先輩。
別に遅れてもいいから君と一緒にいたいんだよな。
2人で走った廊下も周りから聞こえる野次も、屋上に置いてきた弁当箱と一緒に忘れられてしまうのだろうか。
俺にはわかる。先輩が他とは違うこと。
良くも悪くも掴めない。
なんでか分かってしまう。きっと俺のものにはならない。
だって入学して2日で君のとなりを歩く人は男ばっか。
なのに何故君に惹かれてしまうのだろう。
君のことだからきっと尖った上唇を更に尖らせ待っているだろう。
照れてぷいっと背を向けた彼。タイプじゃないと行っていたけれどどんどん可愛く見えてきて仕方ない。
HRが終わり時計の針は16:00を指している。
あの二人どこ行くんだろう。
いつも二人で歩いていたはずの帰路はあいつからの「今日予定ある」の一言で一人で歩いているし、勇気を出して差し出した俺の放課後も呆気なく彼女からの「先約が、」で俺の元へと戻ってきた。
そしてさっきだって君の昼休みは入ってきたばっかの後輩のものになって、手を引きながら廊下を走ってきたし。女の友達はいない訳?
なんでそんな人気なの?
俺だけが見つけたつもりの君をこのまま逃したくないんだけど。
一人で歩くホーム、しきりに君のことを思い出してるんだけど。
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。