私はいつも彼にこういう。
”知らなかったの?”と___
いったい、なんの事かびびっと来ないと思うけれど
なにをって?
それは
君の心が私を求めていたことに___
これは数週間前に始まった、いわゆるゲームみたいなもの。
”どちらが先に落ちるか”
ゲームをするのだったら私の大好物。
”私に負けなんて言葉はないの”
それなのに彼はいっこうに諦めようとしない。
自分でもしっているはずなのに
私に___
”勝ちを頂戴?”
諦めるのなら
”最後のチャンスよ”___
それでも諦めなかった彼。
私は今日も甘く深い闇のようなキスをあなたに落とす。
ほら、もう私の虜じゃない
あぁ、今回のゲームも私の勝ちか………
はぁ……さてと-……
次は誰にしよう___
end.
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!