あの時の 別れ は___
本当に望んでいるものではなかった。
今頃何も残っていない部屋で
『ねぇ、どうして私から離れていったの?』
なんて聞いても帰ってくるのは、夏の暑さで少しだけ生暖かい風だけ。
長い一日を送る度に知らないうちに涙が流れてたりする。
あなたは今、どこで何をしているのだろうか……
私にはなにも分からない。
あなたといた頃は私はあなたのことが手に取るように理解出来ていたのに、今では手で掴むことも……
まるで出来なくなってしまった。
“ねぇ、あなたは私が恋しかったりしないの“__
私はあなたが恋しいよ……
もしかしてあなたはもうすでに忘れてしまったのだろうか__
私は今でも覚えている。
なぜ私達が別れなくてはいけなくなったのかを__
私は あの理由 で別れるのをまだ認めることすらできないよ__
そして、今いる場所は気づけば結婚式場。
あれからどのくらいの月日がたったのか__
私が簡単におわらせることが出来なかった恋心を置いてあなたは今__
私以外の人の隣を歩いている。
私は初めからもう一度やり直したい気持ちを抑えながら
『おめでとう』
そういった。
それから私は彼のことを諦められるようにした。
できるだけ……
でも、そんなことはなかなか出来なくて、どこに行ってもあなたとの思い出と重ねてしまうことがあってまだ引きずってるんだなってすごく思う。
これがどれほど辛いものなのか……
やっぱりあなたは変わらないままだったね__
私はかわったよ
あなたが私のところにまた笑顔で走ってきてくれることを願ってたんだから__
私はきっと今でも__
“あなたとの恋が最後であることを願うの“
❦ℯꫛᎴ❧
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。